意外と知らない人が多いと思います。高橋メアリージュンさんがとてつもない苦労人だということを。

 話を聞けば誰もが「不幸」だと言うであろう状況で、この方は「幸せ」だと言い続けます。久しぶりにこの本を読みましたが、元気をもらえました。

 

 はじめに から、かなり吸い込まれます。

「すごく悲しいことが起きたとしても、いずれは自分のストーリーになるの。いつか笑顔で人に話す日がくるよ」

 僕自身がこの言葉を信じないといけないと言い聞かせました。気を抜けば、いつ道を外してもおかしくない状況に置かれていると思っているからです。

 こんな僕だってどんなに頑張っていても、不安になるときは当然あります。だからこそ、本を読んだりして、自分に喝を入れないといけないと自覚しています。やっぱり周りから得るパワーは大きいですね。

 

 高橋メアリージュンさんといえば、サガン鳥栖の高橋祐治のお姉さんです。女優としても知ってはいましたが、どちらかと言えば、高橋祐治の影響で注目するようになりました。

 すごく綺麗な方ですし、華やかイメージです。ところが、借金を背負った家族、返済を続ける日々、潰瘍性大腸炎、子宮頸がん。実は想像を絶する経験をされてきた方です

 元々はすごく裕福な家庭だったのですが、中学生ぐらいの頃に、父親の事業が失敗し、会社が倒産します。そして、突如父親に「明日から今までみたいな生活は出来なくなるけど、ついてきてほしい」と告げられます。

 その後は、引越しを繰り返し、引越しのたびに部屋は狭くなり、食事はどんどん質素になっていき、家には毎日借金取りから電話がかかってくるようになったそうです。

 それでもインスタントラーメンに卵を入れて食べたり、兄弟姉妹で一杯のカレーを分け合って食べたりするのがすごく楽しかったと語っています。

 一気に貧乏になったけれど、家族といる時間が幸せだったそうです。今でも家族の借金は残っており、給料から毎月仕送りを続けているのですが、それを嫌だとは思っていません。すごく心の綺麗な方なんだと思います。

 26歳、30歳の時に潰瘍性大腸炎、子宮頸がんと大病を患っています。潰瘍性大腸炎の時は、医者に「この病気とは一生付き合っていくことになる」と言われますが、
「この病気を治した初めての人になる」と意気込み、実際に病気を治しています。その間「絶対に治る」と強く思い続けたと言います。





 上2つの写真は、この本で僕がすごくジーンときたページです。

 「自分のことをかわいそうだなんて、ちっとも思わない」

 プロジェリア早老症という病気になった少女が言った言葉です。

 考えさせられる一文だと僕は思いました。人は往々にして、現状に不満を言いますが、一方で大病を患ってもなお前向きに生きている人がいます。僕も普通に生きていることに感謝しないといけないと思いました。多くの人に見てもらいたい言葉です。





 もうひとつジーンときたページです。これも納得です。今、頑張れということですね。どうしてもサボりたい時は、誰しもありますが、今この瞬間は、未来から戻ってきたと思って踏ん張りたいものです。

 少なくともこの言葉を知っていれば、ふとした瞬間にもう一踏ん張りできるきっかけになるかもしれません。

 過去にこの本を読んだ時に、この言葉に刺激を受けました。ですが、忘れかけていたので、もう一度この言葉をしっかり頭に入れておきます(笑)というか、手の届くところにこの本を置いておこうと思います。

 
 最後に高橋メアリージュンさんの言葉を書いて終わりにします。


 思い出して笑顔になれる過去がわたしにはあります。

 だから、わたしの「不幸」がひとつ欠けたとして、わたしの人生が今より幸福だったとは思いません。
 
 それはわたしだから、ということではないと思います。

 なんでもない、ささいなことに幸せが詰まっている、と気付かされる機会に恵まれました。
 
 それがたとえ人から見たら「不幸」に見えることだとしてもです。
 
 考え方ひとつ、自分の立つ場所ひとつでそれは誰にだってできる「幸せな未来を生きる」ことができる処方箋です。

 難しいことは確かにある。
 でも不可能じゃない。