祥鈴庵圓珠（しょうれいあん えんしゅ）です。
信じて行う、というのが大事らしいというのを感じたのは
もう随分前のことになります。
ある年のお盆の8月、ふと思い立って地蔵経をお唱えして
お地蔵さまの念誦をするということをしてみました。
多分念誦のやり方を習った始めの頃ですね。
教えてくださる阿闍梨さまにお尋ねすることはお尋ねして、
亡き人を偲びつつしみじみゆったりと。
気分としては夕方から夜にかけてがしっくり来るのでそのように。
正しいやり方はわからないながらも、
自分の中でいい感じだなあと思うことをしてみました。
なんとなく続けて、お盆の中日。
お地蔵さまを思い浮かべてお経をお唱えし念誦していると
突然目の前に大きな仏さまがお立ちになりました。
念誦しつつ、これは思い浮かべているお地蔵さまではない、
なんだなんだと思って見上げても、
背が高すぎてお顔を拝することができません。
驚きつつ続けていると、眼の高さくらいのところに出現した
水槽のようなものの中に溜まった水の底から、
白っぽい蓮の花が浮かび上がってきます。
花が水を滴らせながら水面に現れると、
その仏さまが身を屈めて、ざばーっと水ごと蓮の花を両手で掬い上げ、
そのまま上に持って行かれました。
こんな感じ。
両手からポタポタ水が落ちて、幾分かはまた水槽に戻ります。
しかし水位はかなり下がって、半分くらいになりました。
もう一回掬ったら水なくなりそうだけどな、と思っていましたが、
一度きりでおしまいの様子。
ですが、身を屈めてくださったおかげで、
その方が十一面観音さまだということがわかりました。
何が起こったのかさっぱりわかりませんが、
とにかく何だかすくわれたのは確かなようです。
これが一体なんだったのか正直いまでもわからないのですが
一つ言えることがあるとしたら、
信じて行なっていると、仏さまはその姿を見せてくださることがある
ということ。
僧侶になった今思うのは、仏さまがこういったイメージを
見せてくださったり、何かハッと気づくようなきっかけを
わかりやすく与えてくださったりというのは、
在家のころの方が多かった気がします。
在家の方で、これから仏さまへ心が向かおうとしている方が
一生懸命に何かをされている時、
仏さまはとても暖かくそれをご覧になっていて、
ふと何かの恵みをわかりやすくくださる。
人の心は、何か確かに思えるものがあった方が
方向性をつけやすい、ということを
仏さまはよくご存知です。
これが仏の方便というものだろうと思います。
ほんの少し嬉しいこと、
ほんの少し間違ったかな？と思えること、
本当に小さなきっかけを与えてくださって、
自分で正しい方向へ向かえるようにと示してくださいます。
信仰は実践です。
教えに従って自分が行うことで現れてくるものです。
ただ、誰かの助けや力を待っているものではなく。
ですがそれは、自分の人生を自分で決めて進んでいくことを
学ばせてもらっているということでもあります。
自分の力、自分の意志、自分の徳分と良い資質を信じて
自分の道を歩んでいきましょう。
じゃあ僧侶になったら自分の願いが叶ったり
仏さまにお会いしたりしなくなったかって？
そんなことはないですよ（笑）
叶う内容が変わって、お会いするしかたが変わりました。
他社の方に対する時と、自社の人に対する時とでは
対応が違いますけど、そんな感じかな。
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毎月24日はお地蔵さまのご縁日。
この日に小さな法要を営み、
生きとし生けるあらゆるものへの祝福
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