ノーベル賞が!とか、夢の再生医療が!とか、超盛り上がってますね。

「増補 iPS細胞-世紀の発見が医療を変える」
八代嘉美 平凡社新書

確かにすごい発見です。

ES細胞の研究からiPS細胞に重点が移っていく理由や、研究内容の説明がわかりやすく、門外漢にも読みやすいと思いました。

この研究に関しては、行政の動きが実に早かったですね。
やればできるんじゃん(笑)
なんで早いのか、には注意が必要ですけど。

この本でも、やはり短絡的に騒ぎすぎるマスコミと、成果を求めるあまり暴走してしまう研究者のあり方に対して問題提起されています。

命を救いたい、という、誰も異議を唱えないだろう動機から行われたルール違反があったことを、移植技術や再生医療の進歩を考える時には忘れてはならないと思います。

個人的にも、これが実用化され臨床に適用になれば…と思う難病の知り合いが何人かいます。

一日も早くと思う気持ちと、きちんと安全性や倫理性を確認し社会的コンセンサスができないと、という気持ちと裏腹に両方あって、なんとも切ないです。

医療関係の仕事についてない普通の人がこういう情報に触れるのは、インターネットで調べる以外にはやはりマスコミの報道のボリュームが大きいわけで、何度も何度もいろんな人が言っている通り、祭り上げみたいに取り上げたり、適当な一般論で叩いたりって具合に一時的に上げたり下げたりするんじゃなく、内容をわかりやすく、ある程度長期に渡って追っかけて冷静な報道をしてほしいと思いますね。

いくら夢のように見えても、現実に運用されるときには地に足のついた、たくさんの研究と証拠を踏まえた確かなものになっている。

その着実さこそ、科学技術の最も素晴らしいところなのかもしれません。