急に温度が上がって心配していたら、温度計が壊れてたとな!
事故が起きたときのシリアスさに比べて、起こることがあまりにまぬけすぎない?
それがほんとに心から怖い。

「チェルノブイリ・フクシマ なさけないけどあきらめない」
鎌田實 朝日新聞出版

戦う、そしてネットワークする医師というイメージの方。
3月11日以降、原発事故の情報が出ないことに憤りながらも、被災地の医療機関支援のために人を集め、薬を集め、おでんやおむつを集め、風呂桶を集め、輸送手段と燃料を集めて送り込む実行力は、現場に近い人の持つ危機感から来るのでしょう。

地下鉄サリン事件の時も思いましたが、こういうときの医療機関の自主的な連携はほんとにすごいし、心強い。
なるべく多くの人の命や健康を守ることを最優先で考えるなら、迅速にこれだけのことができる。
過去の災害から学んだ地方自治体間の連携もさすが。

また、「大丈夫」「科学的」という言葉遣いの無神経さ、情報を適切に出さないことが不安を増大させ、信頼感を削りとることにしかならないことがはっきりわかります。

出てくる情報を見るにつけ、けっこう素人感覚でも「そんなわけないだろう」とか「それはウソでしょう」ってことが解っちゃうものなんだなあと思いますが、知識がある人はさらにそれがはっきり分かるでしょうから、違う!と声をあげて欲しいです。

怪しい気がするときには、なるべくたくさんの他の情報を参照したいですし。

パニックを防ぐと称して情報を伏せるより、情報を開示して現時点で考えられる最悪の事態を避けるにはどうしたらいいか、現時点でできる最善のことは何なのかを示した方がいいのではと思います。

核攻撃後の防護マニュアルを自衛隊などは持っているはずですが、民生用(っていうのかねこういうときも)に編集されたものを開示してくれないかな、と思ったりします。

にしても、現場からの距離によってこんなにも危機感と行動力に差が出ることを、今回の災害はほんとうにはっきり見せたなと感じます。

「直ちに健康に影響」があるときには、いったい何が起こるのか。辛すぎるけど知っておくべきかもしれません。
「朽ちていった命-被曝治療83日間の記録」
NHK「東海村臨界事故」取材班
新潮文庫

事故直後、情報を知らされなかったばかりに病を背負うことになってしまった子どもたちの姿。
「新版 チェルノブイリ診療記 福島原発事故への黙示」
菅谷昭 新潮文庫