たった一つの答え | カラッポのマネキン

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ウソと本当のミックスジュース。おいしくどうぞ。

 どうしてなのか分からないのだ。どうすれば良いのか分からない。
 子供は2才になった。毎日手をつないで歩こうねと言っても、二秒後には振り払い、道端の花をちぎる。スーパーの商品を触ってはいけないと毎日いうけど、いくと触る。帰ってきたら手を洗おうねと言っても、部屋でゴロゴロ。毎日だ。毎日言ってもダメ。こんなこと書き出したら無限にある。

 私は26歳で結婚するまで、それなりに大きな会社で働いていた。仕事には筋道があり、こうすればこうなるという決定した未来があった。当然新人の面倒もみてきたので、1を教えて次の日から10できるとは思っていない。1教えたら2、次の日は3できればよい。そうやって育てた。
 子供もそれで良いと思っていた。
 1教えたら次から2。その次は3。それが子育てだよねと。
 違う。違うんだ。
 1教えてると次からはやるねといい、1やらない。それを毎日続ける事がこんなに辛いなんて。いつか突然10できるのかも知れない。でもずっと1のままなのかも知れない。私はそれが怖くて旦那に相談した。すると旦那は言った。
「何度同じことを言ってもやれないなら、言ってる内容や言い方が悪いんだろう?その方法じゃできない、とわかっているのに同じことをやるなよ」
 うんそうだね、私もそう思うと言い子供を寝かせて一人台所に来て、今泣いている。
 そんなの何回も考えてる。どうしたらよいか、方法を変えたり、言い方を変えたりしてる。出来たことなんて私が言ったから出来たのではない。本人が本当に理解したから出来たのだ。それまで言い続けるしかない。
 私はきっと欲しい答えが分かっていた。
 ただ一つ。頑張ってるねと言ってほしかった。