3月から届くようになった手紙は、すでに100通を越えていた。


差出人は兄の健夫。


「お前には今まで、さんざん迷惑をかけた。

自殺して金を返すので、保険の受取人になってください。」


「僕は病気です。働けない。お金を送ってください」


この二つの内容が、だいたい交互に送られてくる。



兄は数年前のバブルに便乗して事業を始め、

多くの人がそうなったように倒産して借金取りに追われる

身となった。