「うちのお店は、特に変ったモノを売っていないから・・・」
「他店でも売られているものだから・・・」
先日、店舗経営をされている方からご相談を受けたんですね。
お店で扱っている商品は、ナショナルブランドが大半。
それらは、近隣のお店に行っても売られている。
だから、
「POPに書くコトが見つからない・・・」
という風に思ってしまう。
POPでいくら訴求しても、他店でも同じモノが売られている。
だったら結局、どんなコトを書いても、価格で選ばれるんじゃないか?
という考え方になってしまうんですね。
(・・・何となくこの状況って、分かります?)
僕はこのお話をお聞きして、すごく納得したんです。
たしかに、他店でも同じ商品やサービスが売られていると思うと、
「何を書いても一緒じゃないの?
商品のどんな良いことを書いても、ありきたりの訴求にならない?」
と、感じられるんだと思う。
だったら、ココで思考を180度変えてみるんです。
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■ ある花屋さんのお小さな客さまとの物語
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以前にもご紹介したことのある、ある花屋さんの話です。
ある日、お父さんと娘さんの親子ずれ2人のお客さんがやって来ました。
店主さんは、花を買っていただいたお二人へのサービスにと、お店の奥で焼いていた焼き芋をプレゼントされました。
そこにいた娘さんは小学生くらいだったそうです。
・・・それから数日がたったある日。
いつものように朝、お店の開店準備にお店のシャッターを開けてみると。
店頭のディスプレイも兼ねて置いてあるベンチに、一枚の絵が。
店主さんは絵を手に取り、よく見てみると。
そこにはなんと、自分のお店が描かれているではありませんか!
お店と店主さんの絵がクレヨンで描かれていたんです。
お父さんと買い物に来た女の子が、焼き芋のお礼に絵を描いて、そっとベンチに置いていてくれたらしいのです。
・・・実際に、そのお花屋さんにお伺いしました。
すると、お店に入ったところに、その女の子が描いたという絵が額縁に入って飾られていました。
絵の話をお伺いしている時にもその女性の店主さん。
その時の嬉しさを思い出されたのでしょうね。
思わず、涙を浮かべられていました。
ここで僕は、あなたに感動的な話をお伝えしたかったわけではないんです。
お店には色んな物語があると思うんです。
この花屋さんのような感動的、と言わないまでも。
日々のお仕事の中で、お客さんとのやり取りの中で、何かしらの物語が生まれていると思うのです。
日々のお仕事の中で、お客さんとのやり取りの中で、何かしらの物語が生まれていると思うのです。
今回のお花屋さんのような話をお客さんに伝えるというと、少し抵抗があるかもしれないです。
だけど、今回のような話をお聞きすると、
「どんなお店なのかな?」
と、そのお店に行ってみたくなりませんか?
と、そのお店に行ってみたくなりませんか?
「この花屋の店主さんって、いい人なんだろうなぁ」
とか、何だかちょっと親しみを感じません?
僕はそうなりました。
そしてそれって、お客さんも同じだと思うんです。
お客さんへ伝えることは商品やサービスの良い所ばかりでなくてOKです。
お客さんが求めているモノって、そこばかりじゃない。
商品のイイところ、メリットを聞きたい人ばかりじゃないはずです。
今回の花屋さんのようなお店で生まれる物語こそが、お客さんが求めているモノのはず。
そして、それこそが伝えるべき話なのですね。
もしも、
「POPやチラシ、ニュースレターに何を書いてイイのか分らない」
と、考えられることがあれば、お客さんとのやりとりに意識をフォーカスしてみてください。