◆中型以下のフレンチモデルは丸っこくコンパクトなデザインが多い。

↓PIERMARIA(SEM製) MMM 重さ約10kg

抱えやすく、立奏に向いているし、見た目もお洒落。

しかし座奏の時にはその形状ゆえ困ったことが起こる。

膝の上にのせて弾く感じになるのだが、急な蛇腹操作で楽器がブレやすく、発音が遅れたり音量にムラが生じやすい。

安定感のある大型楽器みたいに蛇腹で強靭かつ繊細に歌わせるような表現はやりにくい。

※主に4指奏法で弾くならば親指で多少は支えられるが、完全レガートのメロウな表現は5指奏法が適するので悩ましいところ。

 

↓こんなカタチだし、、。

一流ブランドのアコーディオンはどんな演奏にも適応する設計で造られているものだと信じ込んでいたので、上手く弾けないのは自己責任なのだろうとショルダーストラップを留める金具の位置を変えてみたり、鉛を使って重量を増してみたりと試行錯誤。

ストラップを短めに締めるという手もあるのだが、かなり弾きにくくなるし見た目も暑苦しい。

 

↓で、まずはこれ、ゴムの腿当て。(数年前)

 

ここを右腿に当てて弾くことで左右のブレは改善したが、前後にはブレる。

 

↓そして、胸当て、当初はウレタン素材だったが、革張りの木材に。(2023年春頃)

これで楽器が胸に触れている限りはほぼブレなくなった、めでたしめでたし。

 

そもそも中型以下のフレンチモデルはミュゼット音楽の立奏に向いた設計のように思うので、自分のニーズが特殊なだけかもしれない。

 

ところで、女性の場合は間にムネがあるのでそのままでもブレにくい気もしますが、どうなんでしょう?(笑)。

 

※追記

ヤフオクに出ていた、PIERMARIA(MMM)は前後にブレにくそうだ。

SEM製の後期型だが、この形状は現在のIMC製に引き継がれている。

良さげな楽器だが、リードがIMCと同じクオリティだったら嫌だな。

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◆ついでにMaugein MM 重さ7kg

超軽いので腕だけで十分コントロールできる楽器なのだが、ボタンが内側手前すぎて弾きにくいし、ボディの厚みが薄いために左手の蛇腹のフィーリングもせせこましくなる。

演奏にマイナスならばデフォルトにこだわることはない。

↓胸当てを制作、面積を稼ぐよう凝ってみた。(2024年3月)

↓これで、中型機の蛇腹感覚で弾けるようになった。

この楽器のように平たいボディの小型フレンチは蛇腹のエアー量少なめという弱点があるのだが、あまり気にならなくなった。

楽器の形状は演奏を大きく左右するので、フィーリングがしっくりこないという場合はあれこれ工夫をしてみてもいいだろう。

ん?「MMLの中型軽量機を買えばいいんじゃない?」

今の日本は先進国の中でも最貧国ポジションまで落ちており、欧米との通貨価値の差が半端ない。

我々日銭を稼いで暮らす庶民にとって新品イタリア製アコは「高嶺(高値)の花」と化したな(笑)。

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さて、ほかの楽器は?

 

↓Cavagnolo MMML ダブルチャンバー 12.5kg

フレンチでもこの楽器は安定感の塊りで「動かざること山の如し」、楽器の重量も身体の遥か前方にあり、気密性が高くリードの反応も重たい。

せめてコントロール増強のためにストラップ留め具を付け替えて片側は前方に移動。(2018年頃)

※キャバお馴染みのプラ製留め具はある日仕事の直前に突然折れた。こりゃ時限爆弾だね、、

とにかく「大きい」「重い」「弾きにくい」という三重苦の楽器、音はステキだが、、、。

 

↓HOHNER(France) MML 11kg

今どきのMMLに比べると重たい楽器だが、そのままで良い加減に弾ける。

BUGARIのOEMだと思うが、自社イタリアモデルのようにキーボードを身体寄りに設計してみたのかもしれない。

4指法専門の人は弾きにくいかも。


 

※ちなみに、フレンチおなじみのリング(金属)付きのボタンはカッコいいのだがレガート奏法では爪が当たりやすい。うちの楽器の多くは右手側をリング無しに取り換えてある。