駅のトイレの鏡を見て、

右の耳たぶが内出血して

赤くなっていることに気がついた。

触ると、僅かな痛みがあり熱も持っている。

 

(以前、痛みを伴う行為を初めて懇願した時も、

こんな風になったな… )



髪の毛が長いので、

耳がしっかり隠れるように整えた。

 

移動しながら、彼にメッセージを送った。


“濃い時間でした、お会いできてよかった”という

いう趣旨の文章を、

長い別れを予感させるニュアンスにした。


“お別れするわけじゃないんだよ?”という返事が

来るかな?と思ったが、返事が来ない。


やっときたと思ったら、

「短時間でしたけど、濃厚でしたね」という、

深読みしていない返事だった。


「今日お話されていたBBCのドラマの

タイトル何でしたっけ?面白そうだったので」


「ブラックミラー、です。

エアロバイク発電の話は有名なので

探すと出てくると思います。  



「ありがとうございます!」


「ぜひ感想聞かせてください!」


「こういう、爽やかなやり取り、

健全だった頃みたいで嬉しいです。

引っ越しプロセス中なので、

落ち着いたら観てみますね。」


これで、またしばらく連絡とらないだろうと思っていたら、続けて返事がきた。


「でも、濃厚なのはそれはそれで嬉しいでしょ?」


「否定できませんけど…。後ろめたい気持ちとのトレードオフです。」


「後ろめたくなってるtefeさん可愛いね。」


「え??

後ろめたく思わないことが理解できません」


そんなやり取りをしながら、

私は自分の職場のミーティングに向かった。


ーーーーー

 

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食事どきだったので、お店が混んできた。

もっと話していたかったけれど、食事が終わったところで話を切り上げて会計を済ませた。


地下から地上に出る階段を、私が前になって

のぼった。

地上に出る手前で振り返って、

彼を見下ろす形で言った。


「やっぱり、ああいう真面目な話をしていると

話も合うし楽しいですね。真面目じゃないときはとんでもなく悪い男ですけど。」


「ふふっ」


「私、ああいう話ができる友達関係で

よかったんですよね。


あ〜あ、元号が変わる前に、この関係を終わらせたかったなぁ」


「今日から変わるわけじゃないですよ?

あと1ヶ月あります。

勘違いしてる人が多いですけど。」


「そっか!それなら、あと1ヶ月のうちに

終わらせればいいですね」


彼はにこっとした。

 

駅まで、仕事の話などをしながら並んで歩いた。改札で彼を見送った。 


「じゃあ、また!」


「じゃあ、気をつけて」


(え、“また”?)


(お子さんが産まれたら会わないなんて言って、

結局わたしたちはこうなっちゃって、

そして楽しく過ごして、

当たり前のように“また”なんて言っちゃって。

彼はどうしてあんなに罪悪感がなさそうなの?)


楽しかった時間が終わると、

“やっぱりこの関係はよくない…”と思った。


ーーーーー

 

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「大手企業もおしまいですよ。官僚も。

ブラック労働甚だしい。研究者もそうです。」

 

「おしまい、ですか。

それは、自分が選んだ仕事ができることを

喜びと感じて、給与が低いとか

他者と比較しちゃダメなんですよ。


富の再分配とか、格差の是正とかいうけど、はっきり言って手遅れでしょう。


だから、グルーピングして

似たような属性ごとに居住地区を分けて、

その中で幸せな生活をしてるんだって

信じ込ませるのがみんなハッピーになる方法なんじゃないかなって思いますよ。」


「僕も、全く同じ考えです。」

 

「ちょっと危険思想ぽいですけどね」


「いえ、そういう意味では、仮想現実が役立つし、産業として伸びるんじゃないかと思ってます。」


「そうですね、無理がない

リビングコストで、かといって無料だと

やる気がなくなるので、程よい価格なら、

誰でも楽しい気持ちになれるような社会が

作れるかもしれませんね。

キツすぎない努力をすれば、

より良い未来があると希望が持てるような。

 

それと、みんな均一な家に住んで、VRを応用して好みの空間を作り出したりっていうの面白そう」


「BBCのドラマで、ディストピアを描いた

ドラマに、そういうのありました。

皆んなカプセルホテルみたいな部屋に住んでて、より良い壁紙にするために

自転車を漕いで電力を作るの」


「そうなんですね、でもそれって風刺がきいた

SFみたいなテイストですよね。

もっと建設的で

ポジティブな意味で何かあったら面白そう。


それとか、宗教と仮想現実。

既存の宗教じゃなくてもいいから、

何か宗教的なものです。」


「僕思うんですけど、教会のステンドグラスって、VR技術ができる以前までの

仮想現実なんじゃないかって。


昔、ヨーロッパ縦断旅行をしたんですけど、

ある時代までは、アートと宗教って

一体だったんじゃないかなって強く思いました。


もちろん、宗教画とかは分かりやすいんだけど、

仮想現実を、誰の目にもわかりやすく

形にしてるんだなって。」


「え、私も学生時代にヨーロッパ旅行に

行きました。それで、美術館ばっかり巡ってました。しかも写真撮影のバイトしてお金貯めて行ったんですよ。」


「そうなんだ。どうりで。tefeさんの写真は、

ただの写真っていうよりも絵画ぽいなって思ってました。」


「そうですか、ありがとうございます。

本当は絵を描きたいんですけど、時間がなくて。

あと、油絵は道具も場所も必要で、なかなか大変じゃないですか。昔は描いてたんですけど。

写真なら一瞬で撮れるなって思って撮ってるんです。本当は絵を描きたいんですよね。」


「そういう感じ、写真から伝わってきたよ」


「そう言ってもらうと、なんだか嬉しいです」


〜〜〜


この会話をしたのは2019年の春だった。


この数ヶ月後に、

新型コロナ感染症の流行が起きて

テレワークが広がり、陰謀論が広がったりするにつけ、

“まるであの時に話したことが

現実になったみたいだね”と

メッセージを送り合った。


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