朝の9時に待ちわせてホテルに入り、
彼が持ってきたデバイスのデモを見せてもらった後
ずっとセックスしていた。
2人でうたた寝して、目を覚ますと
もうお昼になっていた。
シャワーを浴びて、一緒にホテルの中にあるレストランに食事をしに行った。
ラブホテルではなく、欧米系のお客さんもけっこう多い外資系のホテルだ。
きちんと髪を整えて、バッグもちゃんと持って行った。
さっきまであんなに生々しい行為をしていた相手と
行くには不釣り合いなほどの、お洒落な雰囲気が漂うレストランだ。広い吹き抜けを活用していて、
光の感じも非日常感があって素敵だ。
2人ともそもまで空腹だったわけではなく、
軽めのメニューを探していたら
目に留まったのが同じものだった。
「またかぶったね。覚えてる?僕が海外赴任に行く直前に一緒に行ったホテルのレストランでも同じものを頼んだよね。」
「そういえばそうでしたね。よく覚えてますね。もう2年経つなんて、あっという間でびっくりです。」
「あの時tefeさん、もう2度と会えないみたいな感じで手紙書いてくれたけど、あのあとも何度も会っちゃったよね。」
「…そうですね。今回もけっきょく会っちゃったし…」
食事はミネストローネと、リコッタチーズを使ったトーストのセットで、美味しかった。
食事中はお互い主に仕事の話をして
爽やかに過ごした。
彼が構想しているという次の本のアイディアの話を聞いたのもとても楽しかった。
まだ書き始める前の段階の壁打ちのような感じだったが、彼との交流が始まった頃から彼が言っていたこと、やってきたことなどの要素が色々入っているだけでなく、私がずっと憧れていて最近やっと所属できることになった新しい職場が重点を置いているジャンルとほぼ同じなのだ。
なので、彼が思うよりも私はその時間を楽しんだ。どうして私が彼に惹かれるのか?に対する答えがここにもあったんだ、という発見があったからだ。
(彼には言わなかったけれど)
章立てやタイトルについてtefeさんの考えも聞かせてほしいな、と言うので、
一緒にあれこれ考えた。
コンセプトに近い案をお互い色々と出し合って
少しずつ核心に近づいていけた気がした。
食事の後はお茶をして、気づくと2時間近くが過ぎていた。