「霊長類といえば、いまネアンデルタール人の本をよく読んでる。クロマニヨン人とネアンデルタール人の何が違うのか?例えば最たるものは、
想像力というか妄想力なんだけど。」
「あ、私も。進化の過程で、エサを求めて移動する必要がなくなった、栽培とか飼育が始まった時期って画期的だなって最近本を読んで感動しました。」
「そうだね、知性が高い生き物は、
環境を変えることができる。
環境に合わせて移動する必要がないように。
そういうことには妄想力と、それを実行する力が必要なんだよね。ただ、実行できずにただ言ってるだけだと、残念な人になっちゃうけど。」
「あは、確かに。1年前くらいに、
僕今から
こういう新しいことするんですって言ってて、
それを本当に実現しましたね。
遅ればせながらですけど、すごいなって思いました。」
そう言いながら、彼の手を撫でた。
「僕、妄想力すごいんです。実行する力もあります。まぁ、実行力がなくて詐欺みたいな事をやっても、うまくやれる自信はありますけどね。」
「え?」
「たぶん、あやしいコンサルになったりしても、じゅうぶん成功するんじゃないかな?その方がきっと、お金もきっとたくさん入る。」
「うーん、でも、本来仕事に使える時間を
そういうことに使うのって、能力がもったいなくないですか?お金だったら、地道にやれば作れるだろうし。
いまはそういうこと言ってるけど、
実際には絶対にそういう方向には転ばない人だと
思います。
そういう人だったら、私こういう関係になってないと思うので。」
彼をじっと見て続けた。
「私、周りに職人ぽい人が多かったから、
そういうの分かるんです。そこに関しては
勘が鋭いんですよ。」
「そうだね、そういうのってお互い分かるよね。こっち側か、あっち側か、って。」
「本当に、こういう話をしてると、
真面目な時はすごく真面目なのに、
どうしてあんなにいやらしいんですか?」
ふざけて、彼の頬をそっとつねった。
「それは、僕たちの相性がすごくいいからだよ」
私は彼の右胸に顔をうずめ、
彼を一回ぎゅっと抱きしめた。
そして、穏やかな気持ちで、
体を休める態勢に入った。
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