法隆寺と薬師寺の再建に携わった
宮大工のドキュメンタリー映画を
観に行く約束をした。
でも、前日になって
仕事が忙しすぎて過労のため、
映画を観る自信がないとの連絡がくる。
次の千年に耐えうる改修をした映画を、
一緒に観るということにワクワクしていたので
少し残念だった。
でも、体調が悪いならまた別の機会にしようかと提案すると、会いたいとのこと。
私も会いたかったけれど、
体調が悪い彼を連れ出すのは気が引けた。
それに、一緒に観たかったけれど
その映画はマイナーな映画だったから
いつまでもやっているわけではないので、
独りで映画館へ行った。
すると、観客席が100あるかないかの
小さな映画館は、すでに満員になっていて、
次の回を見るための人たちで行列ができていた。
映画は諦めて、本屋さんをブラブラしていたら
ランチだけでもしない?という連絡がきた。
”え、会えるの?“と嬉しくなり、急いで向かう。
気ばかり焦ってしまい地下構内ですれ違う人たちの動きがスローモーションのように感じた。
ダウンコートが必要なくらい寒いのに、
小走りしたので汗ばんでしまった。なんとなく、ハンドクリームを取り出して手に塗る。
独特の香りで気合いが入った。