ベッドの上でのキスに、またも

とろけそうな感覚を味わう。


この、唇と唇、舌と舌が触れ合い、

吸い付きあうという単純な行為に、

こんなにも快感を覚えたのは

人生で初めてのことだった。


キスでとろける感覚と、

彼が私の上に覆いかぶさっているという状況で

彼が私の下半身に触れた途端、

「もう準備万端になってるよ」と

嬉しそうな声をあげた。


「えっ…?

「僕はいつでも準備万端だよ」

私の理性がうすぼんやりしてきた中で、

彼は悔しいほど冷静で、

私を焦らしてきた。


どうしてほしいのか言ってごらん?、と

彼は嬉しそうな顔で言う。

私は、普段の自分なら

絶対に言わないような言葉を

言わずにはいられなかった。

「お願い、早くいれて…」


彼がはいってくると、

もうそれだけで快感が体を貫いた。


キスもそうだけれど、はいってくるだけで

なぜこんなに違うのだろう⁇と思うくらい

シックリして気持ちいい。

動きのひとつひとつが快感を与えてくれる。


セックス中に、女性が積極的に何かを発することははしたないと思ってきた。

例えば、気持ちいい、という言葉さえ

他の人とのセックスではほとんど言わなかった。

(というか、実際そんなに気持ち良いと感じていなかっただけかも)

でも、彼との行為は、

あまりにも気持ち良すぎた。

堪えようとしているのに堪えられない。

その事が彼をさらに興奮させたようだった。