子犬風なのにドSな彼とのSEX②

公演は7時から。

ホテルに戻ると既に5時を回っていた。

「お腹すいた?」

「うーん、ほどほどに。でもそんなにたくさんは食べれないかな。」

「僕も。ホテルのロビーで軽くつまもうか。」

フライドチキンと飲み物を頼んだ。丁寧に作られた感じのチキンが来て、それを2人で分けて食べた。

衣が少し硬い部分を残すと、私が残した部分を彼が食べていた。彼は普段はお上品な感じなので、骨にがっつく姿にギャップを感じてしまった。


そのあと、薄暗くなった道路に出て、公演会場に向かった。

徒歩で数ブロック歩けば着く距離だ。

ちょっと前の突風とヒョウが嘘のような爽やかな雰囲気の夜。車道も歩道も広く、開放感がある。

信号機のポールは黒くてスタイリッシュ、ビルの窓枠や外階段も黒基調のものが多くて街にシャープな統一感がある。日本ではみないようなカラフルで巨大なバスやトラックが時々通って、海外に来た実感がわいた。


彼は道すがら、街のスナップ写真を撮っていた。

被写体を見つけて身を翻す動作や、足取り軽くウキウキした感じで歩く姿を見て、そしてそんな姿を見ているのは私だけなんだと思うと、2人で海外にいるんだという実感が強くなった。