遠方への転勤が決まった彼⑨


ホテルを出て、そのまま駅に向かうかと思いきや、

お茶していかない?と彼が言うので、

駅前の喫茶店でお茶をすることにした。


いいレストランでランチして、ホテルに行って、

喫茶店でお茶をしてというフルコースで、

彼との最後のデートを堪能した。


喫茶店を出て、駅に向かう時も

なんだか気分が晴れ晴れしていて、

周囲の景色まで爽やかで綺麗に見える気がした。


最後、駅の改札の前で別れる時、

最後だからと思い、向かい合わせで立って、

ちゃんと挨拶した。


「今日はすごく楽しかったです。それに、今までもずっと楽しかったです。修羅場にもならず、お互いに

ストーカーにもならず、良い形で見送る事ができて、むしろ私いますごく爽やかな気分です。」

そして私から手を出して握手した。

私はけっこう力を入れて、ギュッと握った。

「じゃあね

「まぁでも、一生会えないわけじゃないから」

「あは、そうですね。でも、ほんとにありがとうございました。」


これで約10年の関係が終わる。

本当に清々しくて、去り際はスッキリと、

握手した手を離して、会釈して自分が乗る電車の方に向かった。


何年か前にも、別れようと言って、駅で同じようにサヨナラした事があったのだけれど、その時は私は

後ろを振り向いてしまった。


今回は、後ろを振り向かないで、自分の電車に向かう事ができた。10年数ヶ月の関係に平和にピリオド打てて、本当にスッキリした1日だった。


※この話に続きます。

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