VRゴーグルとセックス⑨
「んんっ...!」
「ああ、気持ちいいなぁ。もうこんなに濡れてたんだね。」
そんな事を確認するすきもなくセックスが始まってしまったので、自分でも分かっていなかった。
それに、もう、私の罪悪感とか自己嫌悪とか
完全に吹き飛んで、
彼がもたらす快感の強さと深さに
最初からもう理性がダメになっていた。
「ねぇ...もう最初っからすごく気持ちいい...」
「僕にこうされるの待ってたんでしょ?」
「...違います...」
「でも、ここはもうぐちゃぐちゃになって、僕がはいってきて嬉しいって言ってるみたいだよ?どう?こういうのは?」
彼は、ゆっくりグーっと奥に身体をおしこんできた。
「ああっ...‼︎ ダメッ...‼︎」
「ねぇ、もうそんなに感じちゃってるじゃない。素直に、僕にこうされたかったって言って?」
彼は奥にいれたまま動きをとめた。
「...違います。逆に今日はセックスしないって決めてきたんです...」
「ははっ、そうなの?どうして?」
「...だって、この前、どう考えてもしちゃダメなシチュエーションでしちゃって、しかも感じまくっちゃって、このままじゃ身体がヘンになっちゃうって思ったから...」
「そうなんだ。どうヘンになるの?」
「......」
「言わないならやめちゃうよ?」
「ダメ...やめないで... 身体がヘンになるっていうのは、セックスが気持ち良すぎて、自分がすごく淫乱な人間になって、溺れちゃいそうって事です...」
「嬉しいなぁ。良いじゃないもっと溺れちゃえば。もっと自分に正直になって?その方が僕も嬉しい。
今どうしてほしいの?」
「...ばか...」
「言わないとぬいちゃうよ?」
「動いて...?」
「なに?」
「はやく動いて…!」
「ふふっ、偉いね。いいよ、動いてあげる」
グッ、グッ、グッ、グッ、と動き始める。
それだけでもう、頭の中が真っ白になりそうだった。
「...なんか、もうダメみたいですわたし...
すごく気持ち良くなっちゃってて、頭がボーッとしてきて、よく分からない...」
「分からなくていいんだよ。身体に従って自分をさらけ出して?」
彼は優しい声で、私が快感に向かっていくのを
誘導するかのようだった。
VRゴーグルのデモの時に、そっと肩を抱いて移動させてくれたり、手を握ってコントローラーの操作を教えてくれたりした感覚が残っていたのか
今回はなぜか彼の言葉に従うのが心地よく、
完全に身を任せてしまっていた。
もう私は何も反抗しなくなって、
彼の言う通りに
恥ずかしい格好をしたり
色んな場所を同時に攻められたりしても
そこからうまれる快楽に身を任せた。
恥ずかしいから、と言って途中で中断する事を
放棄した。
そしてもう
理性とか自己嫌悪がこの快楽に逆らえないと悟るくらい感じまくっていた。
不思議な事に、快楽に逆らえないと認めてしまった後はイクことがラクになった。肉体的にも精神的にも。
最後、私の意識が朦朧とする中で彼もいった。
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「あぁ、今日はなんだかすごく激しかったね。」
「...こんなつもりで来たんじゃなかったのに。もう、身体が逆らえないみたい。。」
「なんだか最近僕たちのセックスがますます良くなってる気がしない?」
「...そうですね...」
もう、否定できなかった。
抱き合ってしばしまどろみ、その後シャワーを浴びて駅で別れた。