VRゴーグルとセックス ①

“また会いませんか?”
夜、そんなメッセージが彼からきた。

でも、頻繁に会いすぎているし、

そろそろ新年度も始まるので

気持ちを整えておきたかった。


簡単に言うと、彼との刺激的なセックスに

どんどん溺れていきそうなのを止めたくて、

新年度前の時期にはそういう事から

距離をとりたい気持ちになっていた。

なので、彼に会いたいと積極的には思わず、

当たり障りのない返事をしてしばしやり取りをした。


最後には、少し話をはぐらかすかのように、

奈良や京都の桜の名所をまとめたサイトのリンクを

送って、こういう所に行きたいです、と書いた。

(奈良や京都には簡単に行けないでしょう?それに、彼とホテルに行く気分では無いと伝える意味でも)


その日はなんとなくやり取りが終わって寝た。



その日の夜、彼と一緒にお風呂に入っている夢をみた。




朝、その事を彼にメッセージで伝える。


“おはようございます。昨夜、一緒にお風呂に入ってる夢をみてしまいました。やっぱり夜に交流するとダメみたいです。”


すると朝なのにすぐ返事がきた。


“実は僕、やっと大きな仕事が終わったんです。だから今日、ランチできますよ。”


(ランチだったらいいかな?)と思って返事をした。


“大きな仕事が終わってお疲れさまでした!ランチいいですね。もしランチするとしたら何時頃ですか?"


“3時頃までかな。場所もどこでも行けるよ。"


“場所、私もどこでも行けます“


”庭園が綺麗な美術館のレストランは?“

“春だし、綺麗そうで良いですね〜”


(もしかして、桜の名所のリンクを送ったから、合わせてくれたのかな?それとも、合わせようとしてるポーズをとってるのか。どちらにしても嬉しい)