開発(11)
帰り道、駅のホームにいる時に
彼からメッセージがきた。
“今日はゆっくりできてよかったです。楽しかったね!”
“色々お話も聞けて楽しかったです。それと、ミーティング姿かっこよかったです。そりゃモテるだろうな…って思いました。”
”そうかな。そう言ってもらうのは嬉しいけど、最近はそうでもないよ。新規開拓も難しいしね。"
“新規開拓...?”
断続的にそんなやり取りをしながら
激しい行為のことを反芻していたら、
めざしていた駅を通り過ぎてしまった。
“駅で降りそびれてしまいました。気持ち良すぎたのを思い出してぼーっとしちゃってたからかも…”
“うん、今日は特に良かったね”
するとその日の夜、キスをする夢をみた。
唇の感触があまりにリアルで、
現実の中で行った行為の感覚そのもので、
朝、目が覚めてドキドキするほどだった。
昨日の行為の影響に違いない。
鬱陶しいかもしれないと思いながらも、
思わず彼にメッセージしてしまった。
“おはようございます。
昨夜、なんかすごく生々しい夢をみちゃって。
身体的な感覚が再現されちゃいました”
“ははっ、昨日の刺激が強すぎたかな?”
“はい、刺激が強すぎたようです...
せっかく毎回忘れようとしてるのに。”
不思議なことに、それ以降に彼との行為が
夢の中で再現されるときは
生々しさがリアルになっていった。。