イカされまくって忘れられないシリーズ①


かなり遠くに赴任してしまった彼のところに

押しかけた時の心境は、

“これは卒業旅行!”

彼はこれから新生活が始まるんだから、これを最後の思い出にするんだ!というものだった。

”これが終わったら、もう2度と会わない

本気で思っていた。

それに、嫌なところを見たり見られたりして

嫌いになったり避けられたらむしろ好都合とすら

思っていた。


だからこそ、抱かれるのも最後と思っていて、

どうせ最後なんだったら、

どうしようもなくイヤらしく乱れて

快感を貪る姿を見られても良いやと思ってしまって

羽目を外してしまったのかもしれない。

何も考えず、ただ快感に身を任せて、

好きなように振る舞ってしまった。


その結果、連続オーガズムを初体験してしまい、

その数時間後にも抱かれて連続オーガズム。

そして、その直後の妙に熱烈なキス。



最後なんだから、そんな風にしないでよ…“と思ったけれど、静かにフェードアウトするつもりだったので、平静を装おっていた。


朝から連続でイキまくって

性的に満たされすぎたせいか、

顔がポーッとしてしまい

彼にも、すごくフェロモン出てる。色っぽいよ

言われてしまう始末。

そして、不思議なことに全く食欲が湧かなかった。

別の所が満たされすぎた感じ。


その後、また一緒にソファに並んで映画を観た。

昨夜の映画は彼が以前観て面白かったからと言って勧めてくれたもので、ずっと観たかった作品。今朝の映画は私が学生時代に観て感銘を受けたもので、彼にも観てもらいたかった作品。


やっぱり連続で観ると、昨夜観た映画と世界観が似ていて、この2つの映画の監督同士、インスピレーションを与え合ってたんじゃないかな?などと話して盛り上がった。

「一緒に観れてよかった」

「私も。」

「僕たちって、なんだかこういう共通点多いよね。」

「ね、意外な所でたくさん出てきますよね。」


そんな、ちょっとした会話がとても嬉しかった。


ひとしきり過ごしたあと、

彼の家をあとにした。

1週間の滞在を終えて、空港近くのホテルに向かった。


これで、もう会うのは最後…”と思いながらも、

あくまでサラッとお別れを言った。

“私に会うの、今が最後なのに、この人は気づいていなくて笑顔でいる。そのうち、もう会えないって分かったら少しは寂しがるかな…?”

内心思ってる事は一切言わずに、私も爽やかに車に乗った。


空港近くのホテルに着いて、お風呂にお湯を張って

彼と一緒に観た映画のサントラ曲を流しながら

お風呂に浸かった。

そしてこの1週間の間、彼と過ごした時間の事を思い出していた。


馬鹿みたいに、ほぼ毎日セックスしていた。

こっちに到着した時は、

飛行機から降りてすぐホテルで抱かれて

翌朝もセックスして。

1日に2回したこともあって、

いかにも身体だけの関係という感じがしていた。

その軽薄な感じが気楽だったはずなんだけど。。


やっぱり彼といると話も合うし楽しいし、

それだけじゃなくて、夜一緒に寝る事なんて、

この10年の中で初めてで、

なんの違和感も無く、

朝目覚めた時に、隣に彼の寝顔があるのを見ると

胸が締め付けられるように

幸せな気持ちになってしまっていた。


今までずっと

身体だけの関係と思い込もうとしていたけれど、

私はどうやらそうじゃないみたい。。と思えて

知らないうちに

涙がポロポロと出てきた。

これじゃ、なんだか叶わぬ恋してるみたい…”


でも、もう会わないと決めたし

物理的にもかなり離れているので

実際にまた会うのはもう難しい。

今回は、人生で最初で最後の

彼との卒業旅行のはずだった。


彼は、この新しい土地で新生活をスタートさせるのだから邪魔しちゃいけない。

静かに消えよう。。

消えるというか、

そもそも彼の生活には居ない存在なんだし。

自分の家に帰って、彼がいない日常に慣れて行かなきゃ。

そんな風に感傷に浸るつもりはなかったのに、

いつのまにか、本格的に涙が止まらなくなっていた。


すると、さっき別れたばかりの彼からコールが。