辛い事、苦しい事、悲しい事、
憎しみ、恨み、

すっかり跡形も無く忘れる事ができるという。
もう必要がなくなったなら。




でも、多くの事は体が覚えている。
見るたびに思い出さずにはいられない。

火傷の痕、切られた傷、折られた歯、打ち身、あばた、太り過ぎの体、痩せ過ぎの体、弱った視力、破られた鼓膜、皺、シミ、

肉体を直接、傷つけられた場合もあれば、精神的に追い込まれた結果、自ら招いてしまったという間接的な場合もある。




もし、肉体が際限なく再生すれば、
もっと簡単に許せるかもしれない。

何事もなかったかのように、忘れる事ができるかもしれない。