「冷たいものでしみる感じが続いていたのですが、昨晩からズキズキ痛み始めて今は痛み止めを飲んでいます。」



原色虫歯図鑑

歯の側面をみると明らかに黒ずんでおり、虫歯は中で深そうだ。何もしなくてもズキズキしている場合、菌の感染は神経に及んでいる可能性は高い。まずはレントゲンでチェックしてみよう。




原色虫歯図鑑
銀歯の中で、明らかに神経近くまで虫歯が及んでいる。しっかり麻酔した上で銀歯と側面を覆っている樹脂を外して中をみてみよう。




原色虫歯図鑑
一部神経が露出している!今回は人工物を取り除いた瞬間は神経の部位から出血していたが、すぐに止血することができた。


1分以内に止血可能であったことから、中の毛細血管網の破壊はまだ起こっていない可能性が高い(可逆性歯髄炎)。この場合、中の圧が下がる事で痛みはひく。


1分以上出血が続くようなら、中の組織は完全に破壊されている可能性が高く、菌の感染を神経の部位で食い止める為に、感染した神経を除去せねばならない。(不可逆性歯髄炎)

この場合、神経中の毛細血管網が破壊されており、血流が途絶えている為に麻酔も効きにくい。




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組織破壊が完全に起こっていなくとも、内部には菌が感染している。そこで殺菌の為に三種混合抗菌剤(3-MIX)を虫歯の菌に侵された部分に置く。これは歯に浸透性があるため、あえて露出した神経の直上には置かない。

この状態でやはりセメントで密封する。


一日は薬の刺激で少し痛む事が多い為、痛み止めは必ず渡しています。


ここで一日目が終了。






二度目の来院時、歯をコンコン叩いても響く感じはなく、麻酔が切れた後も痛みはなかったという事で、削って型取りです。

コンコン叩いて明らかに他の歯と比べて響くようなら、残念ながら根の先まで菌がまわってしまった可能性が高く、この場合やはり神経をとります。


原色虫歯図鑑



三回目で銀歯をセットして完成です!


原色虫歯図鑑

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レントゲンでも問題なしです。


ただし今回神経を残す事ができても、中に残っていた菌が免疫力を上回った場合、根の中で組織破壊が起こり、今後神経をとることになる可能性はあります。残念ながら薬を使って保存的に治療する訳ですから、これは結果をみないとわかりません。

噛んでいて響くとか、熱いものがしみる等の症状がその兆候です。


半年か一年に一回はレントゲンで確認してもらうのが良いですね!