第12話 ::「あ~膿んでる」 | 歯周病生活。

第12話 ::「あ~膿んでる」

「抜歯のときは、友人として君に抜いてもらおうと思う」

そう友人には告げた。もう元には戻らない歯。どうせならしかるべき人に抜いてもらいたいと思うのは、単なる思いこみか。でも、問題は抜いてから後の話である。

 友人が週一回アルバイト勤務する歯科医院、じつは問題の歯が一番最初に腫れて痛んだとき、そこで診察を受けていたことはすでに書いた。今回の件からさかのぼること二年前である。運良く、たまたま電話を入れたとき、

「少々待っていただけるようでしたら、明日の午後2時に来てください」

と言われ、痛みのピークが過ぎた次の日に診察を受けたのだ。そのとき、最初に診察したのは、どう見ても二十代中~後半の新米女性歯科医師。腫れて事態がよろしくないため、即、先輩の歯科医師のヘルプを求め、担当のチェンジがあったことをおぼえている。とにかく痛みと腫れを何とかしたくて、市販の塗り薬をつけていたのもあったが、

「あ~膿が」

「市販の塗り薬をつけてますが……」

「そんなものつけたらよくない」

と、えらく怪訝そうな顔つきで言われたなあ。

「この歯は保存する方向でいきたいし、まずは痛み止めと抗生物質で様子を見て、来週にまた来てもらおうか」

その言葉を受けて、次の週、診察室に足を運ぶと、上の歯と下の歯の三回に分けて、歯石を取るという話があり、生まれてはじめて歯科衛生士から歯石をとってもらうことになる(過去に歯列矯正をしていたとき歯科医師に取ってもらった経験あり)。担当の歯科衛生士は、今どき茶髪でもなく、あまり化粧も濃くない真面目そうな人だった。とにかく、それまで十年以上とっていなかった、積もりに積もった歯石。まず一週目は超音波のスケーラーで歯周縁部をクリーニングし、二週目からは器具で歯の表面をゴシゴシとしごいて歯石を取るルートプレーニングだった。

 ちなみに、歯科医師が説明をしたのは最初の週だけ。後に本格的な治療生活に入ってはじめて歯科衛生士というポジションの重要性を実感するのだが、その当時は、

「なんだ、ちっとも歯医者が診にこないじゃないか」

と、半ばプッツンきそうになったものである。話を戻そう。二週目以降のルートプレーニング……

(第13話につづく)