第9話 :: 「セカンドオピニオンを求めるのは大切ですから」 | 歯周病生活。

第9話 :: 「セカンドオピニオンを求めるのは大切ですから」

 こんな時になってから思い出すのは、同じ高校で顔を覚えているだけでも三人が国立の歯学部にすすんでいたことである。なかでも山田は小学校から高校まで一緒だった。大学も同じ東京だったが、お互い道が異なると完全に疎遠になることはなくても、しばし連絡が途絶えてしまいがち。でも、彼が三十歳を過ぎて歯学部に学士入学してからは、二度ほど顔をあわせていた。

 確か四年前に入学していたから、一回で国家試験をパスしていたら、今頃はどこかで歯科医をしているに違いない。そう思って、山田の携帯に電話してみたが、あいにく留守番電話。気分を入れ替えて自宅へ電話してみると、彼ではなく、奥さんの声。ちなみに奥さんも医師の資格を持っている。
 こちらの歯の様子を話すと……

ここ最近ではセカンドオピニオンを求めることが大事とされてますし、ひとつの場所で決断するより、より客観的に診断をくだしてもらったほうがいいですよ……」

 その当時は育児で一時家庭に入っていたものの、しばらく病院勤務していた医師ということが、受話器ごしの口調でひしひしと伝わってくる。いろんな意味で「先生」なのである。話が戻すことにして、奥さんによれば、順調に国家試験も一度でパスして、現在は大学の病院に勤務しているとのこと。しかも、週一回、アルバイトで、しかも自分が住んでいる地区の近くにある歯科医院でも診察しているという。

 迷いはなかった。友人に診断してもらうというのはどこか気恥ずかしいものがあるけど、再会と歯科医師になったことへお祝いの言葉を告げるにはいい機会だと思い、深夜に山田の携帯に電話した。

「そうしたら、日曜日にバイトしてる●●歯科に昼一時に来て。いろいろ口でいってても実際にみてみないとわからないから。こっちから予約はいれておくので……」

(第10話につづく)