第8話 :: 「歯周病の知識が一気にひろがる」 | 歯周病生活。

第8話 :: 「歯周病の知識が一気にひろがる」

 歯科医師自身がコツコツと更新しているなあと、見た目でわかる「家庭歯科医学辞典」というサイト。兵庫県姫路市で開業されている河田歯科医院のホームページであるが、内容は、歯周病についてのイロハからさまざまな治療法の紹介まで、大変密度が濃い。加えて、毎週火・水曜日は全国のサイト訪問者からの質問に答える掲示板まである(現在休眠中)。

 もちろん、歯科医院のサイトだから、歯科医師の治療観や信念にもとずく説明がなされている。河田歯科医院では、「徹底した歯石の除去」という考えが貫かれていて、「毎月一回の歯石除去(スケーリング)」を提唱されていた。ちなみに、エムドゲインといった歯槽骨再生療法にかんしては否定的な見解を示されていて、これ以上悪くさせない「現状維持」を、可能なかぎり保険診療で行なうという。

 そんな治療方針を念頭に置きながら、サイト訪問者からの質問に答える掲示板に訪れてみた。驚いた。ただただ驚いた。河田医師の丁寧な回答はもちろんのこと、これほどまでに老若男女が歯周病に悩んでいたなんて。20~30代の女性がけっこう多いのは意外だった。というか、男性は平均的に歯のケアに対して無頓着なのだ。

 読んでいて思うこと。それは、患者側にとっての歯周病治療とは、一度発病すると、いったんは進行を停止・抑制したとしても、歯科医院での治療やメインテナンスに加えて、日頃のケアを常に見直す必要があるということである。「病」とはいっても、成人の約8割が相当する「生活習慣病」なのだ。遺伝的に歯周病疾患に陥りやすい人もいるが(唾液からそれを判別するPCR法がある)、不十分なブラッシング、ストレスやストレスの現れともいえる歯ぎしりやくいしばりが、本人には直視できない歯茎のなかにある歯槽骨をどんどん破壊していく。

 こうして書いていると、けっこう気分が滅入ってくる。くだんのサイトを見つけてページを読み進めていたときも、BGMとしてページに埋め込まれていた音楽が、いいのか悪いのか、ますます気分を重くさせていた。でも、その暗い音楽に付き合いながらも、歯周病疾患のメカニズムや治療のエトセトラを読むにつれ、これからはきっちりとケアを続けていこうという決意もまた、ひしひしと沸いてきた。

 とまれ、歯周病にはよくないとわかっていても寝る間を惜しんで隅から隅まで読み進めた「家庭歯科医学辞典」。ひととおりの基礎知識はつかんだ。次は、懸案のグラついた歯の状況をはっきりさせること。まだ口の中の状況を具体的に知っていないにせよ、再生治療の良し悪しを別として、歯周病治療に力を入れていて、最新の医療事情を把握している歯科医院を、できるだけ通院しやすい場所で見つけることに集中しよう……。

 そう思った矢先、あることを思い出した……

「そういえば山田(仮名)が、歯医者となって病院に勤務しているかもしれない。一度、連絡をとってみよう!」

(第9話につづく)