第7話 :: 「地獄の沙汰も金次第?!」 | 歯周病生活。

第7話 :: 「地獄の沙汰も金次第?!」

 それにしても、歯科医師のPRぶりには舌を巻く。一呼吸置いて冷静にサイトを閲覧すると、「当院独自のテクニック」や「最高の医療が、それぞれの患者にとって最善の医療になるとはかぎらない」といった表現が目につく。

 言うまでもない。最新の誰もが知っていれば少しでも歯を残すために施してほしい施術、なかでも最新治療のほとんどは自費治療である。早い話、毎月支払っている健康保険証を使えないわけ。

 ちなみに、欧米では歯の治療は自費治療である国が多く、そのために歯のケアに早くから必死になるという話を聞く。そのいっぽうで、スエーデンのようにインプラント治療ですら保険治療である福祉国家もある。ここ日本はその中間に位置しているが、ちなみに健康保険も、毎月保険料を支払うから利用できているに過ぎない。患者側からしてみれば、受付で支払う治療費以外の報酬を、間接的にちゃんと支払っていることになる。

 それにしても、「歯周病治療」をキーワードに歯科医院のサイトを疑似的に通院してみると、掲示板や質疑応答のページを用意しているところが少なくない。そこには、匿名で通院している歯科医院での治療内容にかんする不満や、歯周病治療をはじめるにあたって歯科医師からはじきだされた費用に対する不安など、患者側から見た歯科医療の現実が如実にあらわれていた。

 歯周病もその進行が重度になると、治療費はその分だけかかる。しかも、年齢が若ければ若いほど、将来のことを考えていろいろなオプションを提案する傾向が見てとれた。

「歯周病の進行が著しいので全顎に歯槽骨再生手術(エムドゲイン塗布)しましょう(リンク先の歯科医院とは関係なし)」をすすめられ、治療費の見積額が200万円ということで、費用に困る若い女性もいれば、300万円程をつぎ込んで、多数のインプラント治療を受け、噛める歯を回復したと喜ぶ中年男性。かと思えば、200~300万円かかると言われた人に対して「当院ならほとんどの治療を保険治療しますから全顎いろいろと施術しても総額でせいぜい20万円以内」といったアドバイスをする歯科医師もいる。

 いずれにせよ、「現状維持をめざすのか」それとも「できる部分は再生治療をめざすのか」によって、費用は大きくかわってくる。それと、首都圏や大都市圏の大きなビルに入った歯科医院は、医療の内容はさておき、全体的に高めに治療費が設定されている。たとえば、PTMC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング)--定期的に歯科衛生士や歯科医師が、患者の手の届きにくいところまで機器を使って口の中をクリーニングしてくれる「あれ」ですねムは健康保険証が使える歯科医院でも自費(5000円から10000円といったところも)としているところがある。

 いちがいに高いからといって「やぶ医者」というわけでなければ、必ずしも「懇切丁寧な治療」というわけでもない。安いからといって必ずしも「手抜き」というわけでもなければ、必ずしも「赤ひげ先生」というわけでもない。ウェブサイトにしても、これは立派な広告なのであるから、実際に行ってみないとわからない。

 いろんな不安的要素も増えるなか、「もっと歯周病治療について患者が勉強になるサイトはないのか?」と、ぐらつく歯のことを忘れそうになるほどネットサーフィンに熱中していたそのとき、

「あ、あった歯周病の事典みたいなサイトだ!」

(第8話につづく)