● 第6話 :: 「ネットサーフィンで疑似通院」 | 歯周病生活。

● 第6話 :: 「ネットサーフィンで疑似通院」

a@街を歩けばいくらでも歯科医院の看板にぶつかる。それと同じ感覚がインターネットの世界にもあって、検索すると、キーワードを複数にして絞り込まないかぎり、読み出したらキリがない。歯科医院乱立といっても過言ではないこのご時世、どこも生き残りをかけた「経営」に必死なのである。とまれ、これだけ歯科医院が多いと、診療内容に個性があったり充実している歯科医院のサイトをのぞいてみたくなってしまう。

 一般人の感覚でいえば、一昔前までなら、一般歯科の他に矯正治療ができる歯科医が特殊な技術を持っているとイメージが強かった。診療内容に「矯正」と具体的に明記されているのでわかりやすい。そのいっぽうで、「歯周病治療・予防」にかんしていえば、街角で見かける看板に書かれていることはめったにない。ところが、歯科医院のウェブサイトを見れば、あるある「歯周病治療と予防に力を入れています」との文言が。どうせ高いお金を払って看板を設置するなら、そういった具体的な治療内容も書いてくれ~と、今さらながら嘆いてみたくもなる。

 さっそく手当たり次第に歯周病治療の診察例をネットサーフィンしてみた。まず端的に思ったことを言おう。歯周病治療とは、まだまだ歯科医師の間でも見解がバラバラだと。ただし、どこへ行っても基本となる初期治療は、最初に絶対最小限、口腔内全体をレントゲン撮影し、歯と歯茎の間にできる歯周ポケットを測定。次に歯槽骨の破壊の要因となる歯肉炎や歯周炎を抑制・抑止するため、諸悪の根元である歯石やプラーク(歯垢)を除去し歯周ポケットを2~3ミリ以内に改善することをめざす。その第一歩としての、超音波スケーラーを使ったスケーリングや、外からは見えない歯肉縁下の歯石を麻酔をするなどして機具を使い手で除去するルートプレーニング。そして歯科医師や歯科衛生士による歯磨きの指導。まず、このあたりが、歯周病治療を行う歯科医院において100%取り組まれていることである。

 「予防治療」に力を入れている歯科医院なら、最低限、どんな小さな治療でも、初診時に口腔内全体のパノラマ写真を撮る(本格的に歯周病治療を進める場合は、さらに10カ所ほどに分割して詳細なレントゲン撮影をする)。こうした客観的な資料を用意しない歯科医院は、診察費が安くて財布的にも大助かりと思うより、面倒なことは後回しされていると思って、さっさと見切りをつけるべきである。

 問題はここから先だ。街の歯科医院の看板を見ると「一般歯科」や「小児歯科」以外に、「口腔外科」ないしは「歯科口腔外科」と書かれているのを目にする機会が多いかと思う。こういったところでは、歯肉に埋もれた親不知の抜歯といった治療だけでなく、重度の歯周病のときに行われる外科手術のテクニックを持っていることが多いようである。

 歯周病治療において多くのバリエーションを持っている歯科医院のウェブサイトには、たいてい「口腔外科」ないしは「歯科口腔外科」が診療内容として掲げられていたりする。経歴を確認すれば、「口腔外科」での勤務経験があったり、大学での専攻が「口腔外科」と書いてあるだろう。また、「保存科」という項目が掲げられている歯科医院や病院、歯科医師は、いうまでもなく「歯の保存」の専門家。こうしたところが患者側から見たチェックポイントとも言えるが、なかには外科的なテクニックを一切使わずに重度の歯周病治療に取り組む歯科医師もいる。

 とにもかくにも「歯周病」「保存」「抜かない治療」といったキーワードでくまなくチェックすれば、ある程度は歯周病治療にかんするアウトラインが見えてくる。ここで忘れてはならないことがある。こうしてあれこれとチェックポイント並べているが、総合的な病院へ行けば、たいてい「口腔外科」や「保存科」があるし、検査設備も整っている。でも、時間や場所の都合で大きな病院は通いづらいとことも多いし、担当医師が途中でかわるなんてことも多い。しかも、本格的に歯周病の治療を進めるとなれば、多くの時間を通院に費やさねばならない。

 近くに良い歯周病治療の専門医がいれば、これ幸いである。

 さてさて、歯周病治療のページをのぞいてみると・・・目にするのは耳慣れない専門用語がいっぱい。

「エムドゲイン」「GTR法」「PCR」「掻爬(そうは)術」「PTMC」……。おまけに、料金一覧表まで掲載している歯科医院まであるではないか!

(第7話につづく)