● 歯周病生活記 :: 第1話 :: 「グラついてますねェ」 | 歯周病生活。

● 歯周病生活記 :: 第1話 :: 「グラついてますねェ」

「グラついてますねェ。残念ながら、この先、問題の歯は長く保存できません。今後の治療方法についてですが、歯のまわりの掃除をしてしばらく様子をみるか、抜歯するかのどちらかになります。
 いずれ近いうちに自然に抜けますよ。で、抜歯した後のことですが、一番奥の大臼歯です。ブリッジするにしても、奥のほうの親しらずは抜いておられるので片側にしか支える歯がないし、それなのにいい歯を削るのはもったいない。抜いたとしても咀嚼にそれほど問題はないのでそのままにしておいて、次にその前の歯が抜けたら、そのときに部分入れ歯か、前の歯を二本支えにしてブリッジにするとか……。」

 いよいよそのときがやってきたか。でも、こんなに早く最後通告が出されるなんて! いや待てよ。この歯医者、これまで三回ほど、ちょっとしたことで通ったことがあるのに、一度も口の中のレントゲン写真を撮ったこともないし、今日もピンセットで歯をゆすっただけ。やっぱり、ここじゃダメだ。もう不安の先延ばしはできない。またすぐに歯茎がはれて、夜に痛くて寝られなくなるかもしれないけど、きっちり診察してくれそうな歯医者を早めに見つけよう。

 今だからこそ、こうして冷静に書いている自分。よく、悩みや悲しみは時間が経てば癒えるというが、「抜歯」と言われたその瞬間、どれだけ身の毛がよだつ恐怖感に襲われたことか。反面、レントゲン撮影や細かな検査を一切せず、ただピンセットで歯をゆすっただけで診断を下す「お手軽さ」に対して、その歯医者への不信感がピークに達した。

(第2話につづく)