「オーラルフィジオセラピー」:医患共同作戦を実感
「オーラルフィジオセラピー 非観血処置で歯周病を治す」
■総頁数:136頁 レ カラー
■判型:B5判
■発行年月:2004年7月
■ISBN4-263-46305-6
■注文コード:463050
(おそらく)テレビCMで認知度が上昇した「歯周病」ですが、こと歯周病治療のための書籍というと、歯科医師本位ともいうべき内容の本がほとんど。肝心の歯周病患者の声が聞こえないというのはとても残念な話です。
じつはこの本、今年4月にはじめて手にしたのですが、私のような患者側の人間でも大いに感銘を受ける内容となっています。「オーラルフィジオセラピー」とは、日本語に訳すと「自然良能賦活療法」。「微生物の攻撃力」と「生体の抵抗力」に着目したこの歯周治療は、大阪府豊中市で歯科医院を開業されている片山恒夫先生が提唱された。片山氏によると、歯周病の原因菌に対する歯周組織の抵抗力増強には・・・
・局所の抵抗力を増強する「ブラッシング」
・食事のときの「一口50回噛み」
・「全身の抵抗力を増す呼吸法や体操」
などが必要だとし、これらを励行することによって、人間が本来持つ自然治癒力がもたらされるとしています。そのため、歯槽骨を再生するような外科的な処置は一切ありません。また麻酔しての歯石とり(ルートプレーニング)も極力出血を避けるねらいから、あくまでねばり強くブラッシングを指導して歯茎の引き締まり(退縮)を待って除去することもようです。
こうした人間が本来もつ潜在的な可能性にスポットライトを当てた治療法の影響を受けた、東京都新宿区で歯科医院を開業されている歯科医と歯科衛生士による共著。ある意味、「オーラルフィジオセラピー」の実践風景をも思い浮かばせる内容です。
外科手術を用いた歯槽骨再生を一切おこなわず重度の歯周病を治療する。でもこのセラピーには、たゆまない歯科医師や歯科衛生士から患者への励ましと、患者側も長時間しかも丁寧にブラッシングする習慣づくりが必要となります。よく話題になったり問題となっている「ダイエット」にしても、地道な運動や食事の見直しより、楽して痩せる方法ばかり追いかける昨今。歯周治療としての「オーラルフィジオセラピー」も特効薬ではありませんが、こうした患者が主体となる治療法をとおして、患者自身が口の中の変化に気付き、異変が起きたときにもどう対処すればいいか自分で考える力が養えます。
歯周病の治療をとおして健康への「生活改善」と「意識改革」をもたらす。こうした見地から書かれた本書は、素人としての患者が読んでも十分に理解や納得できる内容になっています。かくいう自分自身、この本で詳細なカラー写真付きで紹介される「治癒過程における歯肉変化」を見て、さっそく「我流」で例を見ながら長時間ブラッシングに取り組んでいます。「突っ込みふるわせ法」や「フォーンズ法」といった磨き方が紹介されていますが、「突っ込みふるわせ法」については専用の歯ブラシが入手しにくいため、「デンターシステマのスリムタイプ(やわらかめ)でひとまずトライ中。とにかく力を入れすぎたり傷をつけては逆効果なので、そうならないよう気をつけていますが・・・できれば、こうしたブラッシング指導に力を入れているところでチェックしてもらいたいぐらいです。
まえがきには<「健康歯肉と病変歯肉の判別がよくわからない」とお悩みの新米歯科衛生士さん,「ブラッシング指導やモチベーションが最近ちょっとスランプぎみ」とお感じの歯科衛生士さん,そして歯科衛生士さんを育てる歯科医師の方々にお薦めの一冊です>とあります。しかし、先にも申し上げましたとおり、歯周病治療を受けていてもあまり経過がよろしくなくて・・・お嘆きの患者さんが自分自身を見直すうえで、本書はいい「カンフル剤」となることでしょう。
何よりも感銘を受けるのは、さまざまなケースの患者さんをとらえた治療経過にかんする一連の写真です。数年も経たないうちに次々と抜歯というような初診時の状況が、歯科医師の励ましと治療、そして患者自身の努力で、歯茎や歯肉だけでなく、再生が難しいとされる歯槽骨まで組織がしっかりしてきたり再生されたりする。すべての患者に必ずしもあてはまらないケースとはいえ、歯周病に悩む患者がブラッシングを励行する、よい見本であることは確かです。
そして何より、私が本書をつうじて感銘を受けたことは・・・著者ご自身が「患者さんから学ぶ」という姿勢を「オーラルフィジオセラピー」を実践するなかで育まれていることです。もちろん、患者である我々は歯科医師への敬意をもって診察台へと足を運ぶわけですが、こうした間接的な励ましをいただくと、一生付き合う病ともいえる「歯周病」へのケアが苦でなくなりそうです。そして、さらに歯科医師への信頼感が増してくることでしょう。
ちなみに私自身は、これまで「オーラルフィジオセラピー」とは逆方向の最先端的な歯槽骨再生療法(外科手術)を受けましたが、本書で紹介されている患者さんの声を読み、あらためてブラッシングをはじめ、日常の基本的な生活を見直そうと思った次第です。
お値段は高めかもしれませんが、どこか重度の歯周病に冒されていても希望をもてる気持ちになれる、むしろ患者向けの良書とあえて言わせていただきます。
P.S. 著者である小西歯科医院のウェブサイト。
http://www.asahi-net.or.jp/~pi5a-kns/
■総頁数:136頁 レ カラー
■判型:B5判
■発行年月:2004年7月
■ISBN4-263-46305-6
■注文コード:463050
(おそらく)テレビCMで認知度が上昇した「歯周病」ですが、こと歯周病治療のための書籍というと、歯科医師本位ともいうべき内容の本がほとんど。肝心の歯周病患者の声が聞こえないというのはとても残念な話です。
じつはこの本、今年4月にはじめて手にしたのですが、私のような患者側の人間でも大いに感銘を受ける内容となっています。「オーラルフィジオセラピー」とは、日本語に訳すと「自然良能賦活療法」。「微生物の攻撃力」と「生体の抵抗力」に着目したこの歯周治療は、大阪府豊中市で歯科医院を開業されている片山恒夫先生が提唱された。片山氏によると、歯周病の原因菌に対する歯周組織の抵抗力増強には・・・
・局所の抵抗力を増強する「ブラッシング」
・食事のときの「一口50回噛み」
・「全身の抵抗力を増す呼吸法や体操」
などが必要だとし、これらを励行することによって、人間が本来持つ自然治癒力がもたらされるとしています。そのため、歯槽骨を再生するような外科的な処置は一切ありません。また麻酔しての歯石とり(ルートプレーニング)も極力出血を避けるねらいから、あくまでねばり強くブラッシングを指導して歯茎の引き締まり(退縮)を待って除去することもようです。
こうした人間が本来もつ潜在的な可能性にスポットライトを当てた治療法の影響を受けた、東京都新宿区で歯科医院を開業されている歯科医と歯科衛生士による共著。ある意味、「オーラルフィジオセラピー」の実践風景をも思い浮かばせる内容です。
外科手術を用いた歯槽骨再生を一切おこなわず重度の歯周病を治療する。でもこのセラピーには、たゆまない歯科医師や歯科衛生士から患者への励ましと、患者側も長時間しかも丁寧にブラッシングする習慣づくりが必要となります。よく話題になったり問題となっている「ダイエット」にしても、地道な運動や食事の見直しより、楽して痩せる方法ばかり追いかける昨今。歯周治療としての「オーラルフィジオセラピー」も特効薬ではありませんが、こうした患者が主体となる治療法をとおして、患者自身が口の中の変化に気付き、異変が起きたときにもどう対処すればいいか自分で考える力が養えます。
歯周病の治療をとおして健康への「生活改善」と「意識改革」をもたらす。こうした見地から書かれた本書は、素人としての患者が読んでも十分に理解や納得できる内容になっています。かくいう自分自身、この本で詳細なカラー写真付きで紹介される「治癒過程における歯肉変化」を見て、さっそく「我流」で例を見ながら長時間ブラッシングに取り組んでいます。「突っ込みふるわせ法」や「フォーンズ法」といった磨き方が紹介されていますが、「突っ込みふるわせ法」については専用の歯ブラシが入手しにくいため、「デンターシステマのスリムタイプ(やわらかめ)でひとまずトライ中。とにかく力を入れすぎたり傷をつけては逆効果なので、そうならないよう気をつけていますが・・・できれば、こうしたブラッシング指導に力を入れているところでチェックしてもらいたいぐらいです。
まえがきには<「健康歯肉と病変歯肉の判別がよくわからない」とお悩みの新米歯科衛生士さん,「ブラッシング指導やモチベーションが最近ちょっとスランプぎみ」とお感じの歯科衛生士さん,そして歯科衛生士さんを育てる歯科医師の方々にお薦めの一冊です>とあります。しかし、先にも申し上げましたとおり、歯周病治療を受けていてもあまり経過がよろしくなくて・・・お嘆きの患者さんが自分自身を見直すうえで、本書はいい「カンフル剤」となることでしょう。
何よりも感銘を受けるのは、さまざまなケースの患者さんをとらえた治療経過にかんする一連の写真です。数年も経たないうちに次々と抜歯というような初診時の状況が、歯科医師の励ましと治療、そして患者自身の努力で、歯茎や歯肉だけでなく、再生が難しいとされる歯槽骨まで組織がしっかりしてきたり再生されたりする。すべての患者に必ずしもあてはまらないケースとはいえ、歯周病に悩む患者がブラッシングを励行する、よい見本であることは確かです。
そして何より、私が本書をつうじて感銘を受けたことは・・・著者ご自身が「患者さんから学ぶ」という姿勢を「オーラルフィジオセラピー」を実践するなかで育まれていることです。もちろん、患者である我々は歯科医師への敬意をもって診察台へと足を運ぶわけですが、こうした間接的な励ましをいただくと、一生付き合う病ともいえる「歯周病」へのケアが苦でなくなりそうです。そして、さらに歯科医師への信頼感が増してくることでしょう。
ちなみに私自身は、これまで「オーラルフィジオセラピー」とは逆方向の最先端的な歯槽骨再生療法(外科手術)を受けましたが、本書で紹介されている患者さんの声を読み、あらためてブラッシングをはじめ、日常の基本的な生活を見直そうと思った次第です。
お値段は高めかもしれませんが、どこか重度の歯周病に冒されていても希望をもてる気持ちになれる、むしろ患者向けの良書とあえて言わせていただきます。
P.S. 著者である小西歯科医院のウェブサイト。
http://www.asahi-net.or.jp/~pi5a-kns/