高校の後輩で2つ下に飯田っていう子がいる。
人懐っこくて、可愛い後輩だ。
彼はよく、俺たちの溜まっているところへ遊びに来ていた。
一番の友達は、彼と同級生のコウイチという子だった。
いつも2人でつるんでいて、悪さばかりしていたようだけれど。
セミが大声で鳴き、夏の日差しがきつく、クーラーの効いた場所じゃないと「やってられない」ような日が続いていた。
タケシと俺は、街にある行きつけのカフェで涼んでいた。
そこへ飯田君がヒョッコリと現れた。
「マサト先輩、タケシ先輩、チワッス」
「おう、学校はどうだっ??」
「ちゃんと勉強してストレートで大学行けよっ」
なんて、俺たちは笑いながら言った。
「ちょっと相談が・・・」
飯田君が言った。
「どうした??」
と俺たち。
「実は・・・」
「少しでいいから、草を分けてもらえないですか??」
「バカヤロ~ッ、お前らはそんなことをしちゃダメなんだよっ」
タケシがきつく言った。
「わかりました・・・」
「変な事言ってすいませんでした」
しおらしく、飯田君は引き下がった。
「お前らは、そんなこと絶対にするなよっ」
少し怒り口調で俺も続いた。
「でもなっ、お前も辞めろよっ」
続いてタケシにもきつく言った。
「・・・」
タケシは何も言わなかった。
翌日の早朝。
俺は自宅のベッドで目を覚ました。
母親から「タケシ君から電話よっ」
「早く出なさいっ」の声で。