ちょい前に、ヘリックスについて書いた。

 
メインストリームではない土俵を得ることで、長々とバンドが継続する、てな話。
 
メインストリームに乗っかりながら長々と続くバンドは、トップランナーになれば、余裕も出てくるだろうが、逆にストレスも凄いだろう。
だから、活動休止している期間があったりして、キチンキチンと活動を続けているイメージは、ない。
 
一方、メインストリームで、長々と、キチンキチンと活動を続けるバンドは、だいたい、メインストリームの先頭集団の最後尾を走っている感じ。
 
そんな順位で35年間走り続けるバンドの一つが、
 
プリティメイズ。
 
新譜がリリースされた。
やはり、「間違いない」と言う感じ。
良くできている。
これは、異論あるかも知れないが、当方にとっては、ハズレなし、なバンド。
 
35年間。
 
3年から4年の周期でコンスタントにアルバムをリリースして、プロモしてツアーに入る。
「バンド」の理想的なルーティンを、35年間続けている。もちろん、さすがに35年間もあると、メンバーの病気や、マネージメント会社、メンバーの脱退なんかで、活動がスローになったりすることもあったが、ちゃんとライブは続けていた。それが故、一番大変な時期でも4年開けてでアルバムを出している。
ボーカルのロニー・ワトキンスが病気療養中なのが心配だが、いつも通り、また戻ってきてもらいたい、と願っている。
 
1984年、RED, HOT AND HEAVYでデビュー。
 
その登場は良く覚えている。
 
デビュー時から、メディア、評論家、周囲からの評価は非常に高かった。
 
当時、雑誌バーンの新譜レビューが非常に高い評価だったので、デビューアルバムを買った。
ともかく、「カッケー!!」と言う印象。
 
完成度の高い楽曲、カチッとした演奏、曲に異様にマッチしたロニー・アトキンスのボーカル。
デビューアルバムのRED, HOT AND HEAVYから、16枚ほどアルバムを出し続けているが、隙のない作品は、どれもこれも緊張感高く、完成度が高い。
 
プリティメイズは、デンマークのバンド。
 
長続きバンドの鉄板構成とも言えるギタリストとボーカルのコンビ。
プリティメイズも、ボーカルのロニー・アトキンスとギターのケン・ハマーの2人がパーマネントで、その他のメンバーは出入りが激しい。
 
プリティメイズが長く続く理由として、常に新しいファン層を取り込んできている事と、それがために、どの時代のアルバムも、トレンドを上手く取り入れている事、が大きい。
 
当方が、KISSを好きな理由として、、常に音楽のトレンド、時代を自分達の中に取り込み、かつ、それを完全に自分達のモノにしてしまうスキルの高さがあると思うのだが、プリティメイズのトレンドへのアプローチは、少し違うと感じる。
 
トレンドの取り入れには、バンドそれぞれの手法があるのではないだろうか。
 
KISSの場合は、割とトレンドにガッツリ乗る。
 
ガッツリ乗るのだが、ダブルライター、ダブルボーカルの利が、あり、それぞれの特徴的な声、と、メロディラインから、「あ、ポール」「あ、ジーン」と直ぐにわかる部分。特に、メロディラインは重要で、メインの旋律は基本的にどの時代も同じ。
なんだが、その旋律を乗せる楽曲を時代に合わせて大きく変化させるスタイル。
 
さらに、KISSの場合は、KISSと言うバンドそのものが、一つの生き物のようなもので、大きな枠の中に楽曲の多様性が取り込めてしまう部分はある。
 
その点、プリティメイズの方が、基本的な軸はハッキリしていて、メロディ志向ヘビーメタル、からの逸脱はない。
が、やはり、トレンドを上手く引き寄せている。
基本的な曲の作りや、構成を変わらずプロデュースや音作りの部分で、時代に合わせていくことができる器用なバンドだ。
 
KISSも同様なんだが、一番のハードルは、
 
1990年代の、「オルタナティブ」ブーム。
 
この、流れ。
基本的に、ヘビメタの代替え的存在になってしまった部分もあり、多くのメタル系バンドが、このムーブメントに押しやられていた。
いくつかのバンドは、オルタナ要素を取り込もうとしたが、上手くいっていない。
 
KISSも、プリティメイズも同様。

プリティメイズは、アルバム、スクリーム(1994年)で、オルタナを取り入れている。
 
KISSの場合は、カーニバルソウル(1997年)が、オルタナ志向のアルバム。

 

プリティメイズもKISSも、商業的には成功していない。
まず、先に言っておくと。
当方は、個人的に、KISSのカーニバルソウルも、プリティメイズのスクリームも、好きなアルバムだ。
両バンドとも多数のアルバムを出していて、その中でも異質であるのは、異質だが、好きな方、のアルバムなのだ。

 

ただ、KISSの場合は、カーニバルソウルは、リリース予定のないアルバムであり、お蔵入りになっていた音源が、海賊版で流出したため、リリースされたもの。このため、オルタナブームも終焉に向かう頃のリリースであり、そのような事情からプロモーションも行っていない。
エース、ピーターを迎えた、オリジナルキッスの立ち上げ期であり、そちらにバンドが向かっている最中のリリースだった事が、売れなかった最大の理由。
 
前作のリヴェンジ(1992)も、ダークヘビーに寄せていたが、こちらは売れた。
最初のシングルが、ジーンのボーカルと言うのも、この時点では珍しいパターン。

 

ともあれ、オルタナは、重く暗く、湿った音であり、それまで、違う分野にいた器用なバンドが取り込もうとしても、簡単にできるものではないものだったのだろう。プリティメイズのスクリームは、並べて聞くと、異質感が強い。
また、プリティメイズの場合、ある意味バンドにとっては「縛り」になってしまっていた事情がある。
その事情は、コレ。
 
PLEASE DON'T LEAVE MEのヒット。

 

のヒットだ。
本家、よりも売れた。
本家は、ジョン・サイクス。ジョン・サイクスの名曲のカバー。
本筋と関係ないけど、相変わらずいい曲だなあ・・・・

 

 

これで、名前が知れた状態で、いきなりオルタナが入ってくると、新たに掴んだファン層は間違いなく、戸惑うだろう。
 
ともかく、1990年代のオルタナの登場は、凄いものがあった。
プリティメイズは、新譜が出たので取り上げたのだが、当時、それだけ、ニルバーナ、カート・コバーンの登場は物凄い影響を市場に与えたのだと思う。
 
好みの問題ではない。
 
ニルバーナ、カート・コバーンが、偉大な存在であったことは、間違いなく、確かだ。
 

 

さて、プリティメイズ・・・・

新譜は、UNDRESS YOUR MADNESS。

 

相変わらず。

凄い。

ある意味表現に困るが、プリティメイズ、そのもの。

シンプルに、カッコよく、メロディアスで、重い部分は、しっかり重い。

 

 

 

シンプルに・・・・
おいおい、ロニー、老けたなあ・・・・
速く、病気なおして戻ってきれくれい!!