31.【開かない招待状】(幻・体験談)
今回のお話は,体験談なのですが,幻も入っています。
30代になると,先輩後輩を含めて友達の結婚が多くなります。
ある後輩からの結婚式の招待状が来たときの事です。
おお,奥西君(仮名)もついに結婚するのか。と思って封を切った時。
ピカッ
ドシャーン ゴロゴロゴロ
突然雷が鳴りました。
夕立が来るな。と思いながら,妻に,
「カミナリ鳴ったし夕立来るな」
と言うと,
「えっ。聞こえなかったよ」
「何いうてんのや。今光ったがな」
と言うやり取りの後,中の招待状を開こうとしたら,ノリでもついたのかしっかりひっついて離れないのです。
「ひっついて開かへんわ」
と言って妻に渡すと,てのひらに乗った瞬間薄く開いたのです。
妻は,いとも簡単に開いて
「何もくっついてないわよ」
と渡してくれました。
手に取ると何んとなく湿っています。
おかしいと思いながらも,日時を確認してカレンダーに写しました。
その夜の事です。
奥西君とその彼女が訪ねて来ました。
「先輩。ぼくたち結婚するのです」
「おお。おめでとう。さあ入って」
「いえ。先輩に新居を見てもらおうと思って迎えに来ました」
と言うので,
奥西君の車に乗って新居に向かいました。
しばらく走ると,いつの間にか林の中を走っています。こんなところは初めてだな。と,思って外を眺めていると。
あちこちの木に何かがぶら下がっています。
よくみると,なんと,人です。
首つりです。
「奥西君。首つりが・・・」
と運転席と助手席を見ると,
二人ともガイコツです。
骸骨が運転しています。
その次の瞬間。
骸骨が透けるような本人たちの姿になり,
二人がこちらを振り向きました。
首には、うっすらと縄も巻きついています。
「うわぁ」
と,大きい声をあげたら,その声で目が覚めました。
体中汗でびっしょりでした。
後日,奥西君から結婚式は反故になったと言う知らせが届きました。
私には予知能力も霊感もありませんが,不思議な目によく遭います。
ただ,幼いころから人の顔色をよくうかがっていたこと,高校生のころから手相人相に興味を持ったこと。
よく会う奥西君の性格も人相もよく知っていましたし,彼女も一度会った事がありました。ですから,虫の知らせを感じたのかもしれません。
現在。彼は,その後会った彼女と結婚して子供もいて幸せに暮らしています。
次回
32.【蛇女】 No.2とは違います。