【概要】
創業期のソニーを支え勤務し続けた著者は、その後経営者のための塾「天外塾」を開き、合理主義経営学、過度な分業を批判し、人間性経理学、従業員が自ら率先して仕事をこなし、いきいきと働いている企業を目指すことを説いている。その塾内に外部講師としてネッツトヨタ南国の横田氏を招いて横田氏をモデルケースとして対談形式で学んでいく本。横田氏は従業員に徹底的に任せる。叱ることも褒めることもしない。気づくことは当人の5倍あっても指摘せず、本人の気付きを待つ(本当に気づいて欲しい点はヒントを与える)。「自分はたいしたことない」として、謙虚な姿勢を貫く、目的と目標を明確に区別し、定性的な目的も考える。問題対処もしながらも、問題解決的アプローチを重視し、問題の根本解決に向け長期的な取り組みをする。祭りに出るなど業務外的なことも積極的に行うなどする。…という方である。当然ながらなかなかできるものではないが、従業員に「無条件の受容」を図っていく。横田氏の自己紹介を深掘りしながら著者と塾生と対談しながら進んでいく本。

【感想・気付き】
○著者も記載しているが、ライブ感を重視し、あえて重複感などを残している本。そのため、最初の自己紹介で実は全て述べられているのだが、分かりにくいところが多分にありあまり最初はよく分からないが読み進めると分かるのでどんどん読み進めることが重要な本であった。小説のようにして読むのがよいか。
○そのため、内容まとめなど自分で編集する必要があるのが難点。
○自分で気づいたことを本人に変えてもらう。一見無理目でも、上司がストップをかけることはなく、とにかくやらせる。この世の中で最も素晴らしい考え。経験をしないと成長しないという考えを徹底しており、それは自分が口出したのは指摘があってたとしても生産性が向上しないことを身をもって感じたから。
○少しずつ、目的に向かってカメの歩みをしていくことが大事。時間が経過すれば、大量のリードをいつの間にかしている。

【抜粋】
○短期間でできることは「目標」レベル。数字に出るので分かりやすいが他社でもできるので本当の競争力にならない。そのため、逆に、時間をかけてある「目的」に沿って何かを作りあげていくことが重要。競争力の要素は、人と時間であり、時間をかけて少しずつよくすることが重要。こうして、進化していくことが必要。
○目的というのは企業理念。「どんな会社にしたい?」と聞いたときに得られる回答。目的というのは質を追求するもの。
○なぜ、どうしてをひたすら考える。そこにある大事なものが、なぜそうなのかを考えないひとが多い。
○理想と現状のギャップが問題。問題への取り組みとして問題対処と問題解決がある。対処的 は表面的な現象を改善すること、解決は目に見えない真因を探り、永続的に解決すること。自分の努力で変えることができない問題は「問題」ではなく「環境」と呼ぶ。与えられた環境の中で、努力する。
○成果主義禁止、指示・命令はしない、仕事は自分で考えてやる、従業員の「やる気」を重視。
○上司に報告はせず、当日のイベントを迎えることもある。
○教えず本人に気づかせる。ただしFBの機会を設けたり、話させたり、書かせたりはする。全体評価の集積も行う。しかし、そこでアドバイスとかはしない。
○仕事の最大の報酬は、より良質な仕事。カネは一番に大切な要素ではない。