アリゾナ祭りでコラボした皆様にお願いして映像化させていただいています。今日はそのコラボ映像化の第二弾、Rap Devilsの皆さんと演奏した「アイドル」について書きます。昨年日本で大ヒットした曲で、多くの二胡奏者さんがこの曲の演奏ビデオをUpされています。この曲は曲の最初と合間にラップがあり、全部で3回あるのですが、他の二胡演奏家の方のビデオを見るとラップ部分も二胡で演奏されています。

ラップを二胡で表現するのは、私の台湾時代の二胡の先生、Kenny Wen先生のお家芸です。Kenny先生の場合は曲の一部ではなく、最初から最後までラップの曲を二胡で演奏されています。中国語の歌詞と照らし合わせてみると、本当にそのように歌っているように聞こえるから不思議です。

You Guessという曲です。YouTubeにあがってますので興味がある方は聞いてみてください。タイトルも意味深です。二胡で何て言っているか当ててみて、という意味でしょうか。

 

 

さて、話を戻してアイドル。

この曲を弾こうと決めたときに、ラップ部分をどうするか、が最大の悩みでした。

他の方のように二胡でやってもいいんですが、私の場合は音楽として中途半端になりそうなのが嫌でした。ラップ部分だけ入っているカラオケがあればいいのですが、それも見つからず・・・それなら誰かにやってもらうしかないかな、というのがきっかけです。問題は誰にお願いするか。色々な知り合いを当たるもさすがにステージでとなると断られ、最後に行き着いたのがASU(Ariozna State University)の先生。興味はあるけど1人でやるのはな、ということで何とかあと2人仲間を見つけてもらえないか頼んだところ、大学内で公募したら興味ある学生はいるかも、ということで先生の特権で?公募していただき、2人、協力してくれる人が見つかりました!

実は男子学生からも応募があったのですが、今回は女子のみで、ということでご遠慮いただきました。

この曲の演出として、今度は3名男子学生を集めて「オタ芸」をやってもらおうかと思い、こちらも公募をかけ、最終的には2名の男子学生が応募してくれたのですが、うち1名が病気になってしまい、こちらは企画倒れ。実現しませんでした。

 

こうしてラップ部分は解決しましたが、二胡でもいろいろ問題があります。

何より速い。そして高音、ポジションチェンジの連続。そして二胡ではなじみのないキー。非常に音が取りづらく苦労しました。

今回の気づきは、分弓と連弓。速弾きの時には連弓のが弓使いは簡単なんですが、いかんせん音数が多いので連弓だと音が小さくなってしまう。かつ一音一音全部分弓にするとそれぞれの音は大きくクリアになるのですが、動作が大きいと速度的に間に合わない。このせめぎあいでした。

 

さらにサビ部分でいきなり出てくる音のジャンピング。高低差が激しくて通常ならここを弾くにはポジションチェンジが必要ですが、速いうえに高音でのジャンピングなので普段あまりしないポジションチェンジ、音を外しやすい。

1か所外すだけならいいのですが、アイドルの場合、1か所外すと連鎖でそのあとも全部こけやすい。

ということで無理やりポジションチェンジしない弾き方で挑戦しました。

 

生音を録りたかったのですが、借りたスタジオで別の部屋ですが、ロックバンドが練習していてドラムやギターの音が漏れまくり。こちらの録音に影響するので、音だけコンピュータにつないで別に撮りました。ただ私の録音技術が悪く、音質的にはハウったりして少し聞きづらいです。これはこれから勉強です。

 

ということで難産ですが、何とかビデオは完成しました。

もしよろしければご覧ください。