イベントが続き、記事が渋滞しています。まだ3月末に行われたイベントHaru In The Gardenの記事が終わってないので急ぎます!ただ、今回は技術的な防備メモ的な要素が強いので読み物としては全く面白くありません。

 

二胡の速弾き。何が難しいと冷静に考えると速く弾かなければならないフレーズの中に

 

・換弦がある

・ポジションチェンジがある

・開放弦の音が混ざる

・似たようなフレーズの繰り返しなのに運指が変わる

・その他

 

が考えられます。

Haru In The Gardenで弾いたビバルディの春が何故二胡弾き泣かせか、というと上記が全部入ってるからです。最大の難関は6連符が続く後半ですが、例えば下記のようなフレーズ

これで1小節分です。

(G調)     

このフレーズを弾くときに、もし1音目の6を外弦第一ポジション薬指で押さえるとなると4つ目の1(上に点)はポジションチェンジをしないと弾けません。しかしこの早いリズムでポジションチェンジは音程面でも動作の安定面でも現実的ではありません。なので、最初の6は外弦第二ポジションで人差し指で弾きます。そうすると次の3だけ内弦で薬指で弾かなければなりませんが、一番高い4つ目の音も外弦第二ポジション小指で行けるのでポジションチェンジは不要です。ただし、換弦が発生します。この指回しも難しいですが、最初の6の音を保留指すると音程が安定します。

この6連符攻撃が少しずつ音程を変えて何小節も続きます。伝統的なポジションチェンジのやり方ではなく1音目を必ず人差し指で弾いて1音ずつスライドさせていきます。こうすると似たような指の動きが続くので楽です。さらに咄嗟に指の動きを考えるのが追い付かないため、今回はピアノに助けてもらうことにしました。上の例のように同じフレーズが2回ずつ繰り返されているので、最初のフレーズを二胡で、二個目のフレーズをピアノで弾いていただくことにしました。次の指の準備が多少楽です。

さらに高速換弦をうまく弾くコツは右手と左手のタイミングを合わせることです。どちらかが早すぎたり遅すぎると音がかすれ、本人は一生懸命に弓を動かしているのに音がフガフガした感じになります。大体の場合は、右手が走るのです。左指で弦をきちんと押さえてから右手(弓を動かす)。そうすると音がきちんと出ます。早く弾く意識が強すぎて右手が早く動いちゃうんですね、これだとうまく行かない。

 

次の難関フレーズはこれ。(同じくG調、1小節分)

 

 

保留指は保留する音より高い音が続く場合に有効ですが、上のフレーズは前後の音が行ったり来たりしながら音階が上がっていきます。なので、この場合は保留指が使えません。

胡弓の先生に指摘されるように指をパタパタ忙しく動かさなければならず、かつ各指の速さが乱れやすいので、不揃いの音の粒になります。かつ途中に開放弦が挟まるため、指を押したり話したりでリズムをとっていると開放弦のところで指を押さえないためコケます。

おそらく先の6連符よりもここが難しいです。このフレーズも2回繰り返しですが、繰り返し後のポジションチェンジに間に合わないため、繰り返し2回目はピアノに担当してもらいました。

そうすることでポジションチェンジに余裕ができます。

 

他にもプチ難関がいくつかあるのですが、この曲は頭で考えると弾けなくなるので、ひたすら弾きなれるしかない、というのが最終結論。

やはり西洋のクラシックは抜群の知名度ですから、きれいに弾けたらレパートリーになるんですけどね。

 

Haru In The Gardenに関する書き込みは次回あと1回だけ。その後次のイベントの事を書きます。