先週の土日、2月24日と25日の2日間に渡って、アリゾナの日本フェスティバル、アリゾナ祭りが開催されました。有難いことにおととし、去年に続いて、今年も出演のオファーをいただきました。今年は両日とも30分ステージを1回ずつ、というご依頼でした。

今年1年間取り組んできたことを中心にステージ構成を、と思い色々考えた結果、今年のテーマを「コラボレーション」とすることにしました。この1年間、YouTubeのTed Niko Channelでも取り組んできた内容です。

 

このテーマを決めたのがちょうど年末。準備期間2か月を切ったあたりでした。

それで誰と何をコラボしようと考えたときに真っ先に思いついた内容がありましたが、準備期間が2か月しかないことを考えると、自分の準備はともかく相手に過度な負担をかけると成り立たたないので、15分ステージを2回、とすることにしました。同じ内容を2回繰り返してもいいのですが、どうせなら、もう1つ別のコラボ企画をしようと思った時に、向こうからコラボ企画が転がり込んできました。真っ先に思いついたコラボ内容は次回の記事にします。今回は転がり込んできたコラボ企画について書きたいと思います。

 

Momo先生とはピックルボール仲間なのですが、ピックルボールで汗を流した後、Momo先生と雑談していたときに、Momo先生がアリゾナ祭りの出演者募集に応募し損ねた話を聞きました。Momo先生は島根県安来市のご出身。安来と聞いて真っ先に思い浮かぶのは安来節、そしてどじょうすくいですが、もう1つ、銭太鼓という郷土芸能もあるそうです。

アリゾナにはもう1人島根で生まれ育ったアメリカ人の友人の方がいらして、その方を誘って銭太鼓でアリゾナ祭りに出ようと思ったのですが、早々に断られたとのこと。1人でステージに立とうかどうか逡巡している間に募集が終わってしまったと。

 

参考ビデオを見させていただきました。本場の銭太鼓は三味線の伴奏で歌う民謡安来節に合わせてパフォーマンスします。Momo先生は過去にも何度もこの民謡のCDをかけて銭太鼓を打ってきたそうです。ただ、もし私のステージの一部としてMomo先生に出ていただくなら、民謡のCDをかけるわけには行きません。私が二胡で音楽部分を担当できる曲になります。安来節では、ちょっと二胡が入る余地がありません。

そこでMomo先生に二胡で弾ける曲をバックに銭太鼓を打つ、というコラボをしませんか、と持ち掛けました。Momo先生としては本場の銭太鼓をアリゾナで紹介したい思いが強かったでしょう。でもまずは一歩踏み出さないとステージには立てないという思いから、私のコラボ企画に快諾してくださいました。そして1人で打つよりは何人かで打った方がステージ映えするので出演者を募ろう、ということになりました。Momo先生以外は初心者になると思うので、音楽は皆が知っている歌謡曲、かつ初心者でも少し集中して練習すればマスターできるほどの難易度の打ち方で、でも銭太鼓の基本技は極力盛り込む方針となりました。本場の打ち方は当然民謡に合わせるので、歌謡曲に合わせる打ち方などはありません。なければ作るしかありません。ということでMomo先生の奮闘が始まりました。振り付けはMomo先生が担当しました。

 

一緒に出演してくれる人、目標4人。知り合いを中心に声をかけては断られを何度も繰り返しようやく4名揃ったのが本番1か月前。Momo先生の振り付けも完成し、Momo先生のお手本ビデオも撮影して皆に配り自主練を中心とした猛練習が始まりました。負担をかけない、と言っておきながらビデオ見ながら覚えるのはかなり大変だったと思います。でも好奇心旺盛なメンバーは本番までに1人残らず完璧に打ち方を頭に入れ体で覚えてきました。

そしてついに、「きよしのズンドコ節」「UFO」の2曲の銭太鼓が完成しました。

 

ちなみに銭太鼓は市販の材料で作ることもできますが、今回は完成品を日本から取り寄せました。

 

それともう1つ。銭太鼓チームの名前が必要です。最初は「チーム銭太鼓」、としていたのですが、司会の方が紹介するのに、アメリカ人でも簡単に発音できるものを、という意見によりZenny'sと決めました。銭'sです。

 

本番、息の合ったパフォーマンスで大好評でした。

ちゃっかり、私の「コラボしてみた」シリーズの第10弾として、当日のステージを録画したビデオをそのまま使わせてもらいました。既にYouTubeにアップしています。是非ご覧ください。