最近のステージは生伴奏をお願いすることが多かったので久しくカラオケ伴奏での演奏がなかったのですが、2月末のアリゾナ祭りでは、一部カラオケ伴奏で演奏することにしました。

二胡用の曲で、伴奏CDなどが付いているものだと簡単ですが、そういうものがない曲だと、MIDIデータを買ってきて、主旋律を抜き、キーを変え、曲の長さを変えたりして伴奏用にします。最近はAmazonで違うキーが何パターンか最初から用意されていて自分の欲しいキーのカラオケデータが購入できる「歌っちゃ王シリーズ」が出てきてだいぶ便利になりましたね。

この場合キーが合わない問題はなくなりますが、曲の長さなどを調整したい場合にはいじれません。

 

思い起こせば、最初にMIDIエディタで曲を編集したりしたのははるか昔、まだWindows95の時代でした。私はCakewalkというソフトが非常に使いやすくて愛用してました。MIDIと一口に言っても音源の種類がいくつかあり、最も普遍的なGM規格以外にRolandのGS、YAMAHAのGXという規格もありました。GMはどのエディタやプレイヤーで演奏しても大きく変わらないのですが、GSやGXという規格で作られたMIDIファイルは、それぞれの音源を搭載したソフトでないと音色が変わってしまい、下手すると音が抜けたりしてしまいます。私が愛用していたCakewalkはRoland製だったので、Rolandが開発したGS音源は対応していたのですが、YamahaのGX音源には対応していないため、GXで作られたファイルを正しく演奏させるにはGX音源を別途用意する必要がありました。

 

私のMIDI使用全盛期はこの頃からWindows XPくらいまででしょうか。

当時は二胡の市販の譜面や伴奏データなども今ほど発売されてなかったので、伴奏付きで演奏しようとすれば、やはりMIDIデータを買ってきて自分で編集するしかありませんでした。その後、教材や楽譜、伴奏データなどがたくさん出回るようになり、それらは二胡用に

アレンジされているものなので、MIDIデータで編集する機会も減りました。

 

そしてこのMIDIデータも当時あちこちで販売されており、昔はかなりクオリティが高かったと思うのですが、販売サイトはどんどん閉鎖され、現在メジャーどころはYamahaのサイトのみかと思います。カラオケ業界からの圧力があったのか、Quality的にはずいぶん簡素なものになってしまったのは気のせいでしょうか。

 

MIDI編集ソフト(シーケンサー)も色々新しいものが発売されてましたが、私はやはり使い慣れたものがよくて(それほど複雑な編集はしないので、機能的には昔ので十分)、ただWindows95でないとソフトが稼働しないものもあって、Windowsがバージョンアップするたびにだましだまし使っていました。Windows 2000までが限界だったかな・・・それ以降はパソコンを買い替えても古いパソコンは捨てず、MIDI編集用として愛用していました。

 

アメリカでは、今私は仕事用以外にWindows PCを2台持っていますが、1台はWindows7、もう1台はWindows10です。さすがに昔のMIDIソフトはインストールできません。

MIDIも時代と共に淘汰され、昔愛用していたソフトはすべて発売終了になっており、Windows7

以降には対応していない様子。従い、ネットで拾ってきた簡易的なMIIDIエディタとWindows標準搭載のMIDI音源を使っていますが、Yamahaで購入してきたMIDIファイルのできがえらく質素でしょぼいな、と思ってました。

 

前置きが長くなりましたが、今回アリゾナ祭りでカラオケを使うのに久しぶりにYamahaショップからとある曲のMIDIデータを購入しました。ダウンロードして鳴らしてみるとドラムの音が一切しない。これはおかしい、と色々調べましたがなかなか正解に行きつかない。

そして、ようやく突き止めました。私はネットで拾ってきたソフトに問題があるのかと思ってましたが原因はそちらではなく、データ側でした。YamahaのショップのMIDIはGX音源環境で作成されているようです。つまりWindows標準のMIDI音源にはない音色で作られているとその部分の音が消えます。今回の場合は、たぶんGX特有のドラムセットを使っていたのでしょう。

 

と原因が分かったのまではいいですが、対応策が浮かばない。いかんせんGX音源を使ったエディタソフトはことごとく販売終了で手に入らない。きっとサウンドフォントみたいなものを個別に買ってきて組み込めばよいんでしょうけど、私には難しすぎて・・・。

Yamahaのショップで推奨されているプレイヤーが一つありますが、これはプレイヤーなので、中身の編集ができないうえにMP3など他の形式への変換もできない。うむ、Yamahaめ。

 

とあきらめかけていたところに、昔一旦インストールして使いこなせてなかったCakewalk(昔のバージョンは販売終了となりましたが、形を変えてフリーソフトとして復活していたのです。ただあまりにもインターフェイスが違い過ぎて、ちょっと敬遠していました)で再生させてみました。でも・・やはりドラム音だけが出ません。

 

打つ手がないまま数日過ぎた今朝、ふと思いついてCalkwalkソフトを一旦アンインストールして再度インストールしなおしてみました。そこでオーディオドライバが見つからないみたいなエラーが出、以前はドラム音は出なくても他の音は出てたのに、今度は一律音が鳴らなくなりました。よくわからないけど適当に色々クリックしているうちに(対応が雑!)、突然音が出るようになりました。ドラム音もです。

 

ということで無事にアリゾナ祭り用の伴奏データが作成できたのでした。

一時は最後の手段してWindows95を搭載しているパソコンを取り寄せ、昔のソフトをインストールしたろか、と思いましたが(そんなパソコン売ってるのか?)何とか回避できました。