バートン・マルキール氏の書いたウォール街のランダムウォーカーを読み終った時には熱狂した。

そして、当時唯一ヴァンガードの投信が買えたマネックスに口座を開設し、投資を開始した。


ところが、始めてすぐに違和感を感じた。

全然楽しくないのだ。


お金について考えるのが面倒で、お金について勉強するのが面倒でっていう人に対して最も合理的で稼ぎやすいこのインデックスファンドをドルコスト平均法で購入して・長期保有するこの戦略は死んでしまうほど退屈な投資なのだ。


バフェットも「得てしてもっともすぐれた投資はあくびが出るほど退屈なものだ」と語っているらしいが、理論的には正しいもののイマイチ自分の求めていたものではなかった。

今でも、これで満足できていれば今よりも遥かにお金を持っているであろうと思う。


自分の求めていたもの、それは今でもアメリカ人の心の故郷。

フロンティアを開拓し、カリフォルニアでそうであったように黄金を掘り当てて一発当てていい暮らしをするのだ。という、投資の世界の大敵である「山っ気」。ある投資である。


ゴルフをする人であれば共感してもらえるかもしれないが、スコア120ぐらいの自分にとっての最適戦略はひたすらに得意とする低い番手のアイアンで距離を稼ぎ、パットで集中力をマックスにしてラインを読み確実に決めることだ。


ドライバーの失敗をなくすことが出来ればきっと100を切るところまでは必ず行ける気がする。

ドライバーでOBをたたくこともなければ、レディースティーまで届かないミスショットもなければ、400ヤードのパーファイブだって全部7番アイアンなら3~4打でグリーンに乗せられるわけだ。

実際にはこれにあっちこっち行って、バンカー入って7~8打多くて10打のホールが必ずあるからスコアがまとまらないのだ。


こんなつまらないことをしない理由はただ一つ。

そこにロマンがないからだ。

自分の中にはいつだって、どんなに無理な状況であったってプロゴルフ選手が技術で狙うツーオンがあり、OB覚悟でこれを狙うことが楽しいのであって結果のスコアはおまけみたいなもんだ。

そう。ヤンキーがしょっちゅう語っている「伝説」とかいう恥ずかしいワードに代表される語り継がれるような成功を残念ながら自分はどこかで求めているのだ。