クリスマスの朝は夏のような日差しだった。
イブ深夜の雪にもならない無慈悲な雨が
洗い流した朝だった。
子どもが無邪気に【夏への扉】を開け放つように急いでバルコニーへ出た私は、光の彼方に白い雲...
いや、山頂に雪を蓄えた絵に描いたような
富士山の頭だ。ビルとビルの間から、白い塊が
雲の様に見えたのだった。
東京湾に浮かんだ小さな船がゆっくり動いているのが見える。それは、朝の交通ラッシュ、殺戮的な通勤電車やビルの隙間を網の目状に走る狭い
道路さえも悪夢から目覚めたように、
ゆっくり優しく動いているのだ。
元旦には、富士山をもっと
近くで見たい!
と思った。


