私は全然不倫に向いていなかった。
向いていないことは、してみないと分からないとよくいうが、本当にそうだった。
いつも土曜の朝にその人が帰って行くと、朝の光の中でほこりの細かい粒子がちらちら輝いて漂っていくのをじっと見ながら私は思った。
さっきまで同じ味のコーヒーを飲んで、同じ皿の卵焼きの味付けについて語り合っていたのに、もういない。
まださっきかけたCDが終わっていないのに、もう連絡をとることもできない。
これでは、死とそんなに変わりない。そう思った。
もう連絡をとることもできない。
これでは死とそんなに変わりない。そう思った。
あの淋しさのいやな質感は、私に全く合わなかった。
そんな時はしばらくピアソラの強引な音の流れに耳をかたむけていると、時間は私のもとに帰ってきて、やっと私は私の土曜日をはじめることができたが、すごく無理のある頑張り方だった。
 
 
                                                   「最後の日」より
 
  
 
このタイトルにどうしようもなく惹かれてしまい、以前確かに買った記憶のある大好きな吉本ばななを読みました。
すべて南米を舞台にした短編集。それぞれの話のおしまいに南米の写真が記載されていて、想像を掻き立てられました。
 
 
ダイナミックで生々しくて、壮絶で生命力に溢れた、日本の裏側にある南米。
この短編集の主人公達はそれぞれにいろんな思いをその南米で見つめ感じ取っていく。
 
 
 
 
私は話しながら、南米の文学を思い返していた。
日本の柔らかく繊細な四季の中で読んだ南米の文学は、どこか理解できないところがあった。
文章を超えてその全体のムードからしてすでに唐突で野蛮な生命力を持ち、美や生命に関してはもはや殺人的な力さえみとめているように思えた。
狂気に近い精神状態の昆揚と、日々の地に足がついた生活が同時に成り立つ世界観があった。
ここに来て、はじめてその感覚が強くよみがえり、少しだけ理解できるような気がしてきた。
なにも人間の理屈でまとめようとしないその力を、男も女も大地からたっぷりと吸い上げ、毒々しい生命の花を咲かせている。
この、様々な気配をごちゃ混ぜに含んだ濃い闇、ジャングルから届いてむっとする青臭い空気、多分存在する、目には決して見えない、おどろおどろしい色彩の精霊たち・・・・・。
 
私はただただ近くに感じていた。
この、冷房の効いた心地よい部屋の窓ガラスを今にも突き破って部屋にずるりと入って来そうな真っ黒い夜を。
 
 
                            「窓の外」より

  
  
私は南米に行ったことはないけれど、あまりに大きすぎる自然や遺跡を見て
自分の力ではどうにもならない時間の長さや歴史の美しさに圧倒されてしまうと
自分がすごく動物的になってしまって、感情がむきだしになったり、大胆になってしまったりする。
 
 
 
そしてその瞬間、幼い日の思い出が突然鮮やかに胸に迫ってきて、まるで小さな女の子の感受性が戻ってきたような大きな感情の波に襲われ、私は涙ぐんでしまった。
なんで忘れていたのだろう、なんで大切なことはどんどん忘れ去られてしまうのだろう。
そういえばずっと昔に、こういうことがあったのに、と私は愕然とした。
 
 
                        「窓の外」より
  
 
 
もしも私が南米に行って、途方もなく大きな滝の流れやタンゴに情熱をそそぐ人々、血生臭い歴史なんかと触れ合ったら
きっとこの主人公たちと同じようにいろんなことを日本にいるのとはまた違った形で何かを経験したりレビューしたり、そして癒されたりするのかもしれない。
アジアやヨーロッパやアメリカとはまた違った感じで、南米独特の感情が生まれるのかもしれない。
 
 
 
これでいい、今はこれでいいのだ。
見知らぬ街の見知らぬ物音を聞きながら、他人の家の居心地の悪いソファベッドの中で毎晩私は思った。
時間をかせぐのだ、それしかできないのだから。
野生動物がじっと傷をなめて、熱をもった体中を癒すために暗がりでただ待っているように、精神がじょじょに回復して、うまく空気が吸えて、まともなことを考えられるようになるまでこうしているのがいちばんいい。
そう思った。
 
 
                                                  「ハチハニー」より
 
 
  
私はとてもこの女たちに共感してしまった。
旅をするのはもちろん観光したり名物料理を食べたりするのが目的だけれど、
その場所で何か違う自分になって何かを感じ取ったり、何かを変えたり、知らない人と出会って学んでまた何かを考えたり、本当の独りぼっちになったりしたい。 
日本とは景色も文化も人も言葉もすべて違う場所で、想像すらできない感覚に浸りたい。 
 
 
今ここで恐くて目を背けたり、麻痺して分からなくなってしまっても、
またどこか行けば変わるかもしれないし、何か形になるのかもしれないし、無駄じゃないのかもしれない。
きっといつかどこかで意味を帯びるような気がしました。
 
 
 
私はこわくて、まるで蛇のようにぐるぐると、真二の手に手をからめていた。
滝もまた、濃い緑のジャングルの中にからみ合う蛇のようだった。
赤土の色とグレーの水が混じり合って、奇妙な模様のように見えた。
ジャングルを這う無数の虫のように、様々な方向にのび、踊るように地面を這い、やがて、それらすべての滝が、あるひとつの巨大な裂け目に注ぎ込まれていく。
なんとエロティックな眺めだろう、と私は思った。
意味そのままの世界がそのままこの世に出現している。
陰と陽、男と女、なんと呼んでもいい、相反するその二つの力がぶつかりあって地球を作ってきたその景色の迫力に、私はただ圧倒され、くらくらしながら、いつまでも目が離せなかった。
真二の腕は熱く、人間の肌の気持ち悪い柔らかさが、脈をうつのが伝わってくる生々しさが、その時、プロペラのうるさい音の中で、ものすごい眼下の景色に小さく吸い込まれそうな意識の中で、妙に力強く感じられた。
 
 
                                     「窓の外」より
  
 
 
久しぶりに吉本ばななを読んで、この独特で不思議で、妙に優しく心に響く文章にとても癒されました。
その反面、とても安全で穏やかな場所でこういう精神的に複雑なものを読むと、自分が分裂しそうな感覚に陥りました。
 
いろんなシーンでいろんなことを思い出して考えました。
とても素敵な時間でした。
 

Marry X'masお月様










 
 





 
何だかとても情熱的でセクシーで、すごく魅力的じゃなぃ??
ワタシのツボなんだよねぇ。
街を歩きたい。滝を生で見て聞きたぃ。タンゴ踊りたぃ。
南米も計画しょぅカナ女の子ドキドキ
 
 

i wish you all the best!!
 

 

長い人生のなかで意義深い日々がほんの一瞬だったことを知るたびに驚きを覚える。

未来にとって重要な意味を持つ日々でありながら、それと知らぬうちに過ぎ去ってしまうのだ。

しかしそうした日々をもたらした人を忘れることはない。

 

 

 

エジプトからギリシャへ向かう飛行機の中で、ものすごい睡魔に襲われながらも読破してしまいました。

 

 

この物語は背景がすごく素敵。19世紀中葉、まだタイがシャム王国だった頃のお話。

周りのアジア諸国の植民地化が進む中で、それを拒み続けた王国。

 

オリエンタルでミステリアスな文化の背景には、古い伝統やしきたりなど進歩を妨げる根強い頑固さがある。

そんな王国に乗り込んだ一人のイギリス人女性アンナと王様の物語。

 

人種も文化も習慣も、何もかも違うのに惹かれあう二人。

 

いくら文化の壁を乗り越え現地の人々と打ち解けたとしても、当時の王国に大英帝国民であるアンナの居場所はない。

いくら惹かれても、イギリス人であるアンナと神の化身と崇められる王様は結ばれることはできない。

 

 

人間ておかしな生き物だと思う。

ただの生き物なのだから、好きな場所へ行き、好きな物を食べ、好きな人と好きなことだけして過ごせば人生は勝手に終わっていくはずなのに。 

自分達が勝手に作ったルールがそれを邪魔をする。

 

お金。国境。人種。法律。宗教。

 

例えば動物だったら、そんなものナシに生きていけるのに。

 

 

法や宗教に逆らって、自分の意思と愛を貫いたタプティムは拷問されて処刑されてしまう。

 

 

「恐れるな、タプティム・・・・しょせんこの世は苦界だ・・・・。」

 

 

彼女に苦しみを与えるのも、彼女を救うのも、彼女が信じていた仏教だった。

皮肉。なんて皮肉。

でもきっと彼女たちのような強い人が国を少しずつ変えていったんだろう。

 

 

王国に大きな影響を及ぼし、国民達に受け入れられたにもかかわらずイギリスへ帰ることしか選択肢がなかったアンナ。 

結局イギリスに訪問できずに亡くなってしまった王様。

 

 

このストーリーは実話だし、これだけ本になって映画化されて後の人々に感銘を与え記憶に刻まれていくなら美しい物語なんだと思う。

 

 

自分を犠牲にしても、祖国を守り家族を守り伝統と愛国心と宗教に従い、それを生涯貫いた登場人物たちはとても強い。

 

 

感動して本を閉じたらアテネ到着の10分前だった。

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●



 

アテネに着いたら留守番電話の通知が来た。

でもナゼか海外から留守電は聞けず。

電話も知らない番号。しかも家電。

 

 

女の子 (誰だろう??内定先???かけてみょー。)

 

 

女の子 プルルル・・・ 「あっもしもし?」

 

ドクロ 「hello?]


女の子  (?!英語??誰!!) 「hello?? I got messsage from this number...??」

 

ドクロ 「yeah yeah I know, how are you??」

 

女の子 「sorry?? Whos speaking???」

 

 

・・・・・・・・

 

 

クマ 「Teddy is speaking~♪♪」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・なんだょ・・・・本気で誰だか分かんなかった。。。叫びラブラブ

 

 

 

 

その後彼はやたらご機嫌で、私の旅の話を興味深そうに聞いてくれて、

もぅそのセクシーでキュートな声を聞くだけで私はもう彼に会いたくて仕方がなくなっちゃぅ。

 

 

女の子 「トルコは海に囲まれてて、オリエンタルでヨーロピアンで素敵すぎたの。

    Teddyと一緒に行ったらすごく素敵だと思う!」


クマ 「へぇー。すごぃねー。リカちゃんとそんなとこ行ったら盛り上がってエッチなことばっかりしちゃいそぅだけどね。」

 

女の子 「・・・・・・・ぅんドキドキ

  

 

 

国際電話でも青汁鍋屋でもノーティでラブラブな会話。

親友はバカップルと呆れてるし、でも聖母は 「二人を見てるとハッピーになれる」 って言ってくれる。

 

 

私はあの旅の中、Teddyからメールや電話をもらう度に二人一緒にいることを想像してた。

とても近ぃ価値感とノリと、Teddyの方がうんと上手な英語と、何よりも二人っきりで一緒に過ごせる幸せ。

新しいものを見て、感じて、微笑み合える嬉しさ。

 

 

私は何百枚も写真を撮ったけど、Teddyは一枚一枚見ながら

 

 

クマ 「すごぃねー。 いーなー。 リカちゃん、一緒に行こうよ!!」

  

 

とかいちいち反応してくれて、ワイン飲みながらムール貝はとても美味しくて、

Teddyが待っていてくれた青ぃイルミネーションもとてもキレイで、

それもすべて彼と一つになりたいって欲望を高める媒体になっているようなもので、

私はほとんど彼とこの時間を共有するためだけに旅行に行ってきたような感覚になってしまう。

 

 

本当に、どこか行っちゃえたらいいのにね。

毎日海と本と音楽を楽しんで、盛り上がったら一つになって

疲れたら一緒に眠ればいい。

 

 

 

エラそぅなおっさん得意げ 「へぇー、4年生かー。キミの将来の夢は?」

 

女の子 「ぅぅん・・・・・

 

 

    ・・・・・・ 

 

 

    ・・・・・・

 

 

    ・・・・・・

   

    ・・・・・・・・・・・・好きな人と世界一周して、

 

    いろいろなことに感動して、ずっと笑ってることです。」

 

 

おっさん得意げ 「いい夢じゃなぃか!そういう好きな人はいるの?

         うん、そう強く思っていれば人間そうなって実現していくものだから

         大事に思っているといいよ!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

・・・・・・・・・・おっさん・・・・・・・・・(ノДT)クラッカークラッカー

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

障害は多いし、叶うことはないかもしれないけど、私大事に思い続けるょ。

 

 

 



トルコのカッパドキアの写真。

キノコの形をした岩が世界遺産で有名なのです。

  

英語ではpe○is valleyとぃぅらしく、それを説明したらTeddyはお気に召したみたぃドキドキ 

 

ぷ(´∀`)キスマーク

日はまた昇る / ヘミングウェイ/[著] 高見浩/訳


 

 

"You are all a lost generation."

あなたたちはみんな、自堕落な世代なのよね。

 

 

                      -ガートルード・スタイン

 

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

 

 

小説にはいろんな種類があると思う。

 

 

人を楽しませるもの。

人に学ばせるもの。

人を考えさせるもの。

 


これは完全に人に考えさせて悩ませるものだと思う。 

この文学的歴史に大きな業績を残すヘミングウェイの作品は、決して愉快なものではない。

特に盛り上がりというものもないし、結末といった結末もない。

私の好きなタイプの小説ではない。

 

 

登場人物たちは何の目的もなしに現実から目を背け、酒に溺れる日々。

問題は解決されずに放置されたまま、酔っ払い笑っていればその日は終わる。

 

 

時代背景は第一次世界大戦後のパリ。

禁酒法を免れてヨーロッパに渡ったアメリカ人の若者がたくさんいた。

戦争でアメリカは勝利を収め自らも生還したにもかかわらず、彼らは多くの傷を負い祖国にはいれなくなった。

肉体的な傷だけでなく精神面のダメージは彼らの人生の根本的な何かを奪ってしまった。

 

 

ハッキリ言ってこの小説を読んでいても全く面白くない。

登場人物たちはいつも酔っ払い、とるにたらないことを話しているだけだし

いつも酔ってるから具体的な感情の起伏も伺えないし、

すべてを中途半端に投げ出すのでイライラさえ覚える。

 

 

「とりあえずウイスキーを飲めばいいじゃないか。」

 

 

こんな台詞が何度出てくるだろう。

もう少しで本題に近づきそうなところで、彼らは必ず逃げる。

 

 


こんな風にこの小説は全然面白くなくて、大きな盛り上がりもない。

何かが変わることもない。

進歩することもない。

良くも悪くも、全く変化しない。

 

 

登場人物たちも同じで、感情に起伏がないというかいつも酔っ払っている快楽主義の集まりだし

嫌なこと嫌いな人がいてもそこから目を背けて生活する。

 

 

それなのに、

言ってしまえば不愉快にすら感じるこのパリの若者たちの生活が、何となく理解できてしまう。

むしろ分かり過ぎてしまって、ふと泣きそうになってしまったりする。

 

 

どうしようもなく酔っ払いで男好きで、ものすごく魅力的なブレッド。

愛する人を傷つけ振り回し、みじめになることしかできない。

本来なら彼と二人、愛に溢れた生活をできるはずなのに、

絶対に解決されない問題のせいで彼と一緒になることはできない。

 

彼の代わりを求めて結婚したり離婚したり、婚約したり破棄したり。

やっていることは滅茶苦茶。

そして時折やけになって彼に泣きつく。

 

 

 

「こんな話ってないわよね?

 あなたを愛していると言ったところで、どうにもならないんですもの。」

 

「やめましょう、その話をするのは。

 いくら話したって、虚しいだけですもの。

 あたし、あなたと離れて、遠いところにいってこようと思うの。」

 

 

 

絶対に手に入らないけれど、どうしても欲しいものの近くにいるのは死ぬほどツライことだろう。

だったらいっそ離れてしまった方が楽。

他に目を向けた方が幸せ。

彼女が一つの場所に留まれず、どこへ行き何を楽しんでも満たされないの理解できてしまう。

そして最終的にまた同じ場所に戻ってきてしまうその理由も。

 

 

 

一方、彼女に裏切られ続けるジェイク。

自分に非があるため、何も言えない。

ましてや彼女の不貞の手助けまでしてしまう。

 

本当に彼女を愛しているのに、彼女の一番求めているものに答えられない辛さ。

生物として彼は死んでしまっているようにすら感じられる。

 

 

 

”眠れぬままに考えていると、思いがあちこちに跳びはねてしまう。

そのうち、ほかのことに的を絞れなくなって、ブレットのことを考え始めた。

すると、それ以外のことはみな頭から消えてしまった。

ブレットのことを考えていると、思いがあちこちに跳びはねることもなくなり、なめらかな波のように動き始めた。

と思うと、突然、ぼくは泣きだしていた。

それからしばらくすると気分が落ち着き、ベットに横たわったまま、電車が通り過ぎて遠ざかってゆく重苦しい音に耳をすましていた。

ほどなく、ぼくは眠りに引き込まれた。”

 

 

 

人間として、生物として根本的なものが欠けてしまっている人生。

自分の希望が叶うことはなく、愛する人を満たすこともできない。

 

 

 

”これでなんとかなるだろう。これでいいのだ。

 恋人を旅立たせて、ある男と馴染ませる。

 次いで別の男に彼女を紹介し、そいつと駆け落ちさせる。

 そのあげくに、彼女をつれもどりにいく。

 そして電報の著名には、「愛している」と書き添える。

 そう、これでいいのだ。

 ぼくは昼食をとりにいった。”

 

 

 

何が変わるわけでもないけれど、これが彼のたどり着いた結論だった。

問題を解決するでもなく、逃げるでもなく、ただ受け入れる。

 

 

 

「ああ、ジェイク」 ブレットが言った。

「二人で暮らしていたら、すごく楽しい人生が送れたかもしれないのに。」

ブレットの体がぼくに押しつけられた。

 

「ああ」 ぼくは言った。

「面白いじゃないか、そう想像するだけで」