TEATRO ACCA

昨年(2017年)12月、小田急線豪徳寺駅からも東急世田谷線山下駅からも徒歩2分という好立地に現れた劇場(TEATRO=劇場+ACCA=シェフの名前の頭文字Hのイタリア語読み)


本格派のイタリア料理と自然派を中心とした旨いワインを、13名キャパの程よい空間で楽しめるイタリアンレストランに、今回は、誕生日月のフードアナリスト仲間Y.I.氏を誘って再訪です

木更津の寿司屋の息子に生まれ高校球児として育った原郁人(ふみひと)少年が、どうして今の道に進んだかは、第1回訪問(3/26)記録をご覧ください

パスタの神様と言われたアンジェロ・パラクッキ氏の弟子で、NHK「あさイチ」の3シェフNEOで知られるイタリアンシェフ、マリオ・フリットリ氏の下10年を過ごし後、なんだかんだを経て2013年2月に恵比寿にイルメリオをオープンして約3年半正統派イタリアンを突き進んだ後、2016年11月、“中目黒高架下”のトリッペリア(=トリッパ専門店) 原トリッパ製造所でコアな世界に寄り道した後、奥様の実家近くに原トリッパ製造所の“ハイカジ=ハイクオリティカジュアル”を継ぎつつより本格的な料理を提供するシェフの想いを実現した、まさに劇場を開店
アップ
この辺りも詳しくはこちらをご覧ください


特等席は劇場鑑賞のカウンター5席

奥の額は、各国のヴォーグに作品が掲載され、“HERMÈS”や“Tiffany” “Yohji Yamamoto” “COMME des GARCONS”といったブランドのビジュアルも数多く手掛けた、1951年スウェーデン生まれマッツ・グスタフソンの“NUDE”シリーズの一作

この絵のの色使いが気に入って購入したとか…

入口脇の壁に切った小窓がお洒落なテーブル8席

計13席全てにシェフの目が行き届きます

まずは、ドリンクオーダー
充実したソフトドリンクのラインナップで何気にテンション上がります

天然水と有機原料を使った大人が楽しめるプレミアム炭酸ジュースで有名なガルバニーナのプレミアムライン"Century Bio "
レモン、ピンクグレープフルーツの果汁感たっぷりの新感覚ソーダにオーガニックコーラとジンジャエール、さらに無炭酸のグアバと睡蓮のホワイトティーが揃っています

1杯目は
GALVANINA CENTURY LIMONATA

有機レモンのフレッシュな酸味とのど越しの良い炭酸が絶妙のオーガニックイタリアンレモネード
スッキリビックリマーク
上質な甘みと抑えた酸味で料理によく合います


お料理スタート
この日も、シェフが用意してくれたお任せの赤牛コース ¥7,800(税抜)をいただきます

キャラメリゼした玉ネギ入り自家製パン“フォカッチャ”と胡桃、レーズン入りの全粒粉の丸いパンに刺さったピアディーナ


甘みをオンした玉ねぎを練りこんだもちふわっフォカッチャにオリーブオイルがたっぷり

胡桃とレーズンが入った全粒粉の香ばしい丸パン

酵母を使わないイタリア北部ロマーニャ地方のパン、ピアディーナ


これだけでレモネードが進みます


桃のピューレに鮎のペースト


桃のピューレに、オーブンで丸ごとローストしてペースト状にした鮎を浮かべています



鮎独特の泥臭さは完璧に消されていて、桃と鮎という想像を超えた組み合わせが、爽やかな甘みと仄かな酸味が香ばしさを伴った苦みを生かし切って見事にマリアージュ

トッピングの生の黒胡椒の塩漬けのフレッシュな香りと辛みも絶妙なアクセント



生ハムパンナコッタ仕立てメロンのソース ミルクの泡


冷たいメロンのソースに、パンナコッタ仕立てにした生ハムを浮かべ、ミルクの泡をトッピング

シェフ定番の生ハムメロン


生ハム風味のパンナコッタが食べてびっくり、口溶け滑らかな“生ハム”なんです


これまでの生ハムメロンは、実は硬軟の食感の違いでせっかくの好相性を活かし切れていなかったのだ、ということが分かる、“目から鱗”のスペシャルなストゥッツィキーノ

これをいただいたら、もう、普通の生ハムメロンには戻れません



ポルチーニのフランとスカモルツァ・アフミカータ

チェルキオトッピング


モッツァレラチーズから水分を抜いたもの(スカモルツァビアンカ)を軽くスモーク(=アフミカータ)したチーズは、焼くととってもよく伸びてスモークの香りがふわっと広がり、チーズじゃなくお肉を食べているような気分になります



トッピングの90%以上水分でできているブラウンマッシュルームは、水質日本一を誇る高知県仁淀川の支流の水で栽培しているため、風味豊かに育ったチェルキオ


ふわっ、びょ〜ん、きゅい

食感の組み合わせで、食べさせるマジック

良く考えたら、きのことチーズだけなのに、複雑で深い味わいに感動を覚えます



詰め物をした花ズッキーニ、パプリカのソース


詰め物は、はんぺんのような食感の海老や白身魚のすり身



独特の甘みと苦みを持つパプリカのソースとイタリアでチーズが高価で買えない人が生み出したと言われるモリーカ(香草パン粉)が、風味と食感の厚みを倍加



黒トリュフの冷製パスタ ディチェコ フェデリーニ


シェフのスペシャリテ黒トリュフの冷製パスタ



鼻孔を刺激する華やかな香りにKO

これは一口サイズのアンティパストパスタとして提供されます

このサイズは罪だとシェフに直訴するも、“インパクトを残すためには、この濃いソースとなって、そうするとこの量なのだ”と…


いつか、このパスタだけでお腹いっぱいにしてみたいものです


スルメイカと雲丹のスパゲティーニ


ハラワタまで使ったスルメイカと雲丹の濃厚なソースを絡めたシェフ手打ちの生スパゲティーニ


先ほどの黒トリュフのフェデリーニもこのスパゲティーニも細い麺に濃いソースを組み合わせるのは、味の輪郭をボヤけさせない原シェフのこだわり


ここでも、モリーカ がいい仕事をしています



サルシッチャとンドゥーヤと翡翠ナスのリゾットアラビアータ


豚の脂肪部位と辛いながらも旨み豊富なカラブリア産の唐辛子、ペペロンチーノ・カラブレーゼを練ってペースト状にし豚の腸に詰めて燻製にした、一度食べたら病みつきになりそうな悪魔的な”辛ウマ”さのンドゥーヤ(Nduja)が主役


その分、ソースの辛みを抑えて全体のバランスを整えるシェフのセンス
アラビアータと言えばパスタのところ、あえてリゾットにするのが


2杯目は
GALVANINA CENTURY ITALIAN GINGER
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苦みが残る大人のイタリアンテイストドリンク
こちらも食事によく合います


高知県産土佐赤牛のロースト 季節野菜


白いお皿に大胆に描かれているのは白ナスのソース

さらにゴールドラッシュのソースとムラサキ芋“パープルスイートロード”使用の自家製ニョッキ

が好きなシェフは、どこかに必ずを施したいのだそう



トッピングはグリーンアスパラと糖度17〜18度と言われるピュアホワイト

同じ皿の中でトウモロコシ2種を違う形で共存させるところがオシャレ


絶妙な火入れの土佐赤牛のしっかりした食感と噛めば噛むほど溢れてくる肉の味わいはまさに“The肉”

白ナスやゴールドラッシュの甘いソースの他に、別皿で添えられた同じ高知の塩二郎で味変も楽しめます



塩二郎についても第1回訪問(3/26)記録に詳しく記しましたのでそちらをご覧ください



高知県産の食材が多いなあと思っていたら、なんとシェフの奥様のご両親の出身地というご縁だそう


dólce2品

招き猫ティラミス


金沢から取り寄せるたねらくの最中皮にマルサラ酒の効いたティラミスといちごのムース



シェフの遊び心満載です


イタリアン クリソ


ゆらゆらと揺れる器にバニラジェラートにブラッドオレンジとウィルキンソンの炭酸水でまさにクリームソーダ


〆は、イタリアNo.1ナポリ産

KIMBOのカプチーノと自家製のビスコッティ


イケメンシェフによる盛り付けも器もアートな料理を都心では実現出来ないコスパでいただける劇場テアトロアッカ 

食材を大切にしながら、その食材に一手間二手間かけることで、素材の良さを引き出しつつ、食材同士の組み合わせに化学反応を起こすマジックに、二度目の今回も、最初から最後まで驚きと感動の連続で、敬食家で食通のY.I氏も大絶賛

ステキなお祝い会になりました


次回、どんな発見に出逢えるか楽しみ