(習ったばかりのw)統計で相撲の八百長疑惑を検証する1統計で相撲の八百長疑惑を検証する2 | Wharton MBA留学からのアメリカNY就職

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Wharton(ウォートン)、ペンシルバニア大学のMBAのため家族で移住。卒業後、なんとかニューヨークで職を見つけて、四苦八苦しながらも生き延びています。

検証1 自分が7勝7敗千秋楽だった場合に、対戦相手に無気力に負けてもらうことがあるか?(幕内全体)

 

一場所15戦を戦う幕内力士にとって、その成績は昇進や給与に大きく影響をあたえる。とくに、8勝7敗の勝ち越しと7勝8敗の負け越しで受ける処遇が大きく異なるため、7勝7敗の力士の中にはなんらかの方法で相手の無気力相撲を引き出して勝ち越しを狙っているのではないか、といわれることがある。この仮説を実際に検証した。

 

7勝7敗で最終日を迎えたのは270試合取り組みあり、その力士の成績は本来であれば勝率50%になるが、実際は勝率59%となっており、P-value 0.05以下で統計的な有意差があるといえる。7勝7敗千秋楽の力士の中で無気力相撲によって勝利を収めている割合は18%と推定される。この推定無気力割合の計算式は=(実際の勝率59%-想定勝率50%)/(1-想定勝率50%)で表される。

 

より分析の精度を上げるために、報道などで定性的に明らかに無気力試合が認められない(ガチンコ力士)と評価されている以下の力士を排除して分析。

部屋

力士

貴乃花

貴景勝

貴乃花

貴ノ岩

田子浦

稀勢里

田子浦

高安

東関

高見盛

 

この条件下で再度分析すると、234試合の7勝7敗力士の千秋楽取り組みの勝率は62%で、本来あるべき50%より12ポイント高く、統計的に優位差ありとなった。(P-Value 0.017,すなわち、この判断が誤っている確率は0.017%)。ここから推定され無気力相撲の割合は24%)

 

想定される反論は、7勝7敗の力士はほかの力士と比べて気合が非常にはいっているので、火事場の底力で勝率も高くなる傾向にある。」というもの、これも当然考慮されるべき要素。ただし、今後の分析で示すように、親方・一門ごとにその底力の強さが顕著に異なっていたり、同郷同士の場合に特に勝率が高くなったり、勝たせてもらった次の場所で報酬として負けてあげたりといった点については、この「火事場の底力説」では説明がつきづらい。

 

結論は「自分が7勝7敗千秋楽だった場合に無気力に負けてもらう傾向が統計的に示された。24%の確率で対戦相手に無気力に負けてもらう傾向があり、結果として勝率は50%から62%に上がる。」