そのままエスカレーター式に高校に上がることを悩みながら、秋になりました。

秋は彼女にとって、最も体調が良くなる季節です。

体の調子が上がると、自然に気力も沸き、行動力に繋がります。

 

ほとんど今年になってから、勉強してない。

なんとかみんなに追いつきたい。

でも、また学校に行って、しんどくなるのは嫌だ。

同じことの繰り返しは避けたい。

その結果、高校に上がらなかった場合の下見を兼ねて、

通信制の学校を何校か見たい。気に入るところがあれば、その学校の中等部で勉強を始めたい。と言うので、何校か親子で見て回り、結局、トライ式通信制学校の中等部で、週2回数学だけマンツーマンの授業に通いだしました。

 

彼女はそれまで塾に行ったことがなかったので、学校以外での学習は初めてでした。

そこで、彼女が感じたことは、なかなか自分に合う信頼できる先生っていないもんだなあということ。

でも、合う先生さえ見つかれば、学校で勉強するより、よっぽど効率的で、合理的で、楽しいということでした。

秋の始めから通い始め、冬が近づく頃には、学校の勉強は追いついていました。

 

ほとんどの生徒が娘より年上でしたが、その学校に通う数人の仲良しの友達も出来ました。

自分と同じように起立性で学校を辞めた子、学校がただ合わなくて辞めた子、いろんな理由でその通信制に来ていました。

そのお友達と帰り道にマクドで長話して帰ってきたり、一緒に買い物に行って帰ってきたり…。

自分が通ってきた学校のお友達とは、また違うタイプの新しいお友達との世界は新鮮で楽しく過ごしているように見えました。

 

自分は学校好きやと思ってたけど、すぐしんどくなる。

通信制の学校はそんなにしんどくならない。なんで???

学校好きやと思ってたけど、本当は好きじゃないのか?

好きであることがイイと思ってたのか?

そういう自分でいたいと思ってただけか?

潜在意識では好きじゃないから、体に出るのか?

自分の意識が本当なのか分からない。

こういうことを、時折私に話してきました。

 

自分は狭い自分の学校の世界しか知らない。

もし学校辞めたら、他の世界でもやっていけるかな。

通信制の学校は、やっていけそうやな。

もっと他に行けるとこないかなあ。

家族でこの娘の気持ちに応えてくれる場はないものかと考えた結果、

ボランティアというものを思いつきました。

 

友人のご主人の紹介で、すぐに素晴らしい環境のボランティアが見つかりました。

親の仕事や、ご家庭の事情で日本に来ている外国人の子供に、日本語や学校の宿題のサポートをする学習支援のボランティアです。

ここに行かせていただいたのが本当に良かった。

娘はこの中3の冬から高3の受験が激しくなる夏まで通い続けました。

 

人との出会いは本当にありがたく、それまで行き詰まっていた心に新しい風をいれてくれることを実感しました。

このボランティアで知り合った同年代のお友達は彼女に大きな影響を与えてくれました。

 

学校と家以外の場を持つことの大切さ。

新しい全く違うバックグラウンドの人たちとの出会い。

自分を求めてくれる人がいることを感じること。

そして、自分がそうだと思っていた自分の気持ちがそうじゃないかもしれない。

本当の深い自分を知ろうとすることの大切さ。頭じゃなくて心に従うということ。

 

たくさんのことを学び、周りの方々のおかげで成長できた中3だったと思います。