あるお寿司の老舗名店の職人さんが、「軍艦巻き」を否定していました。
「親方から教わってないものは、どうも・・・」と。
あんなもの寿司じゃない、とまではわなかったと思いますけれども、どんなすばらしいものでも、伝統をそのまま受け継ぐだけでは、廃れていくか、骨董の文化財になってしまいます。
寿司も、江戸時代は庶民のファーストフードから始まって、いつの間にか高級料理の代表格になりました。
グルメも韓流もワインも「ブーム」を経て、定着したりしました。
ブームになるには、その「伝道師的存在」が必要なのだと思います。
ボウリングには中山律子さん(古っ)がいたし、グルメは美味しんぼ、ワインだと田崎さんとか、韓流だとヨンさまとかね。
お寿司も、馬鹿にするものの、アボガド寿司やカリフォルニア・ロール、三日月マシーンの回転すしの存在あって、これだけ世界に定着したものです。
受益者でもある職人さんは、自らそれを否定すべきではないと感じました。
時と場所にあうアレンジと工夫の中から、何事も文化は生まれるものだと思いますから。
芸術も同じではないかと思うのです。
伝統は伝統として、ただ守るだけでは廃れていきます。国の文化政策に保護してもらうしかなくなります。
残念なのは、そういう作風がむしろ若い人、専門教育を受けた人ほど多いように思います。
つまり、
「悪くないけど、どっかで見たことのなるような作品」
これを上手にこなしているだけって感じ。
軍艦巻き拒否の寿司職人さんは、人間国宝の道をめざせばよいと思います。
が、これからの人たちには、前にも横にも、我々が気がつかないような道を開いてほしいものです。