更生施設 | 続・日々コラム・・・

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Shen Teh n Shui Ta = hen na TeTSuShi・・・

春近き信州では、日本一『ゆるい』少年院に行ってまいりました。
『ゆるい』というのは、初等・短期の少年院なので、入院少年たちへの管理・規制が厳しくなくて、いわゆる『塀』もないどころか、マラソン大会(もちろん街中を走る)まであるそうです。
それでも脱走したりはしないし、更生してちゃんと社会復帰できている率も高いそうです。

それに先立って、表敬観劇したシアターⅩ『名作劇場』の、記念すべき50作品目となった作品『出産』(永井龍男・作)、これが大変印象的でした。
ストーリー以外の各シーン・各キャラクターの感情の流れや葛藤、社会批判なども大変興味深いものでした。さすが名作。さすが川和先生、グッドチョイス。前回ご一緒させていただいた中野さん、松尾さんはじめ、相変わらず素敵な(中年)役者さん達の好演も作品を支えていました。

そのストーリーなのですが、脱獄した囚人がシャバで善行を行って、更生(たぶん)する切欠となるわけです。その経緯として「走れメロス」的な疑心暗鬼があったり、心の根底にある親切、国家や権力と市民の関係、出産と女・・・いろいろな要素がちりばめられていましたが、それはさておき、本来『更生施設』であるべき刑務所を脱走中に、市民の優しさに触れ、善行の清々しい気分を味わい、囚人が改心するという、じゃ刑務所って何?警察って何?というなんともシニカルなテーマが楽しめました。

この作品の時代設定は、大正時代。真の民主主義にたいする待望は、現在と似ているのかも知れませんし、異質なものかもしれません。でも、更生は、病院や施設で行うものではなくて、社会の中で社会の人に接しながら行うべきだという主張は、この時代の作家も持っていたのでしょう。

『ぬるい』更生施設も、周辺住民のみなさんの理解と暖かさが、その伝統を築き、支えているとの事でした。