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原作が有名なシェイクスピアの戯曲なので、当たり前といえば当たり前だが、場面や人物の登場の仕方が舞台っぽい。
舞台上で表現するのと違って、背景になる風景は省略なしのヴェニス。完璧なヴェニスのの画像に、とにかく違和感があるのが 『英語のセリフ』。 舞台なら気にもしないのだけれども・・・。
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戯曲なので、史実に忠実なわけではないし、映画にするにはかなり無謀な部分のある話なのだけれども、みんな分かりきっているクライマックスの裁判シーンでも、とってもスリリングに味わえた。
ただ、変装のポーシャ(弁護士?→裁判官?)が、もっと余裕を持って「最後の通告」をするもんだと思っていたのだが、この作品では『かなり追い詰められて思い浮かんだアイデア』に感じた。あれって、あの場で咄嗟に思いついた事なのだろうか?
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原作をほとんど忠実に再現されていたなかで、シャイロックの娘とトルコ石の指輪をラストに持ってきたのが、好感。
情けないことに、原作での『シャイロックの娘』の扱いを良く覚えていないのだけれども、あのラストによって、シャイロックが救われた気がした。やっぱり『主演』だし。
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しかしなんたってその主演。アル・パチーノがシャイロック。シャイロックが主演で、その視点から同作品を描くというだけで、とても興味深い。 私事ながら、原作を読んだときに、完全にシャイロックに肩入れ読んでいたことを思い出した。
シャイロックにも正義はあるはず。ただ、悪役として軽蔑されるだけの資質しか持たない男ではないのである。
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余談だが同作には、役名・ポーシャにアントーニオ・・。一瞬 『ジュリアス・シーザー』と似ているのは気のせい? 同時代のシェイクスピア作品には、キャラクター的にも似ている登場人物が多く、なんとなくだがトルコ石の指輪についての嘘の吹き込みは、『オセロー』に通じている気もした。(イタリーだし・・・)
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残念だったのは、当時のシェイクスピア劇の重要な存在である 『道化』 の扱いが、中途半端。 一応、それらしきもの置いているのだけども、特に効果をもたらさない気がした。
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それにしてもアル・パチーノ。
かつてのどの作品と比べても気づかないほど別人。だいたい、言われなければアル・パチーノだってことすらわかりゃしない。
ジェレミー・アイアンズの渋ーいアントーニオとともに、素晴らしすぎ。 (やま記者)
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