
おすすめ度: ☆☆☆☆☆ (Excellent)
スティーヴ・クローヴス監督のこの映画はいろいろな意味で私が個人的に一番のお気に入りの作品のひとつです。「大人の恋」をうまく描いているし、(少し悪い4文字言葉もいろいろ出てきますが、)会話もなかなかスタイリッシュで非常に魅力的だと思っています。でもそれ以上にこの映画に非常に愛着がある理由は、公開された当時(1989年)、映画の舞台になったシアトルに住んでいて私はそこで見たので、自分のシアトルでのいろいろな思い出が重なっているからだと思います。もちろんDVDを持ってますし、今でも一年に1、2回は見ているので、気に入ったシーンのせりふも少しずつ覚えてきて、映画を見ながらそのせりふを一緒に喋ったり…。DVDがなかったころもVHSで持ってまして、その頃は、特にシアトルに住んでいた経験のある人には、これは絶対お勧めだと言ってテープを(無理やり?)貸していました。そしてある時ある人に、いつものように「絶対お勧め」と言ってテープを貸してあげました。「テープありがとうございました。」と、帰ってきたテープを自宅で見ると…。何とテープは最初の1時間くらいをプレーした状態のまま。「途中で飽きて見るの止めたなあ~。」悲しくなりましたが、まあでも、よくよく考えると、人それぞれ。それからはあまり人には勧めず、私のパーソナルな映画として大切に私の心の棚に置いてありましたが、ブログを始めてやはりこの映画を紹介したくなりました。
15年間、ベイカー兄弟(ジェフ・ブリッジスとボー・ブリッジス)は予約できるすべてのホテルとバーでジャズピアノの演奏をしてきた。でも最近、仕事は低調、下降ぎみ。彼らはヘビースモーカーで口が悪いが、美人で素晴らしい声を持ったスージー・ダイヤモンド(ミシェル・ファイファー)を雇うことに。三人はいっきに成功して人気のトリオになるが、いつしか弟のジャック(ジェフ・ブリッジス)はミシェル・ファイファーを愛するようになり…。
ミシェル・ファイファーは吹き替えなしに、映画の中の歌はすべて自分で歌っています。彼女の歌に魅了される人もいれば、されない人もいるようで、されない人はやはりこの映画に対する興味が激減するかもしれません。でも彼女はこの映画のために、歌のレッスンを一日10時間も受けていたそうなので、その熱意を買って聞いてください。
妻子もあり家族第一主義の保守的な兄ボー・ブリッジス。いつも女性を追いかけて、犬と二人で自由気ままに生きている弟のジェフ・ブリッジス。思ったことははっきりすぐ言葉に出す感情的だが魅力的なミシェル・ファイファー。三人のキャラクタが非常にうまく丁寧に描かれていると思います。
この映画はピアノの上でミシェル・ファイファーが歌うシーンが有名になってしまったので、華麗なショウビジネスの映画と思われている方もいるかもしれませんが、もっと地味なストーリ展開です。でもほんとうに味のある映画です。結末は申し上げませんが、典型的なハリウッド映画とはちょっと違っていて、それも新鮮で私にとってはすごくイキな結末です。
日本語のタイトル「恋のゆくえ」はなかなか悪くない題名と思いましたが、でもやっぱりこれはオリジナルのタイトルのように、「素晴らしきベイカー兄弟」の楽しくもあり、ちょっぴりほろ苦い愛と希望と夢を語った物語です。5つ星にしたのは、もちろん私の好みなので、あまり期待を大きく持たずに軽く見て下さい。そして、小粒だけどじゅうぶん楽しめたよと、言って頂けるとこんなに嬉しいことはありません。