読書感想文「 俄-浪華遊侠伝」を読んで (100日ブログ 9日目) | 二代目社長の告白

二代目社長の告白

かまえオフィスブログからタイトル変えました。

会社を継いでから、思うことを書いていきます。
これから二代目になる人のためのブログです。

 ブログを毎日続けているといろいろなことがある。

 今日は初めての状況だろう。
 今日は去年入会した会の新年会だったのだ。
つまり、お酒を飲んだ日だ。

 普通なら、今日は飲んだのだから、
ブログはいいだろうと思って寝てしまうが、
100日続けると宣言した以上、例外なく書くことにする。
(ますます自分を追い詰めているなあ)
ただし、前回パソコンとの相性を書くといったが、
変更して今読んでいる本のことを書くことする。

 今読んでいる本、
「俄 浪華遊侠伝」
(にわか なにわゆうきょうでん と読む)

 著者は、司馬遼太郎先生だ。

 文庫本で読んでいる。
解説を含めると800ページを超える。
文庫本だとかなり厚く、弁当箱ぐらいになる。

 人から勧められて読み始めた。
今697ページまできた。
 
 これは大阪を舞台に幕末維新の時代から
明治にかけて生きた、明石屋万吉という少年の物語だ。
少年といっても、親分になり、やがて侍大将となる。
しかもその生き方が場当たり的だが男らしいのに惹かれる。
頼まれたら断らない。最後まで面倒を見る。
死ぬ気でぶつかっていく。
かっこいいのだ。
 
  万吉は、元々貧乏だ。父親も出て行った。
自分から母親に勘当してくれといって家を出て行く。
金はない。
 そこでどうしたかというと、お寺などで博打をやっている
同じ年くらいの子供たちの金を取りに行くのだ。
盗むというよりも取りに行くのだ。

 集めてある金の上に乗って、
「この銭、もろうた」というのだ。周りの子供は万吉を殴る蹴る、
下駄で頭を叩くなど、とにかく金を取られたらたまらないと、
ドツくのだが、万吉はじっと殴られるのを耐えている。

やがて頭も顔も
血だらけになり、体中が腫れ上がった状態になる。
周りの子供は逆に気味が悪くなって、最後には逃げ出すのだ。
 
万吉は殴られている時どう思うかというと、「ワイは死人や。死人やと思え」
(おれの一生はこれや、これで行く)と誓うのだ。
   
 当時11才。
 これから万吉のすさまじい人生が始まる。
 
 他に幕末当時、武士がどういう人たちだったかや任侠の世界の人たちが
どんなだったか、興味深く書かれている。
 
 戦争を知らない私にとって、
武士と聞くと潔くて、男らしいイメージがある。
しかし当時も今と同じように、人と戦うことに皆恐れを持っていたことが
わかりやすく書かれていておもしろい。
 
 男気というけれど、本当にいのちを投げ出す人がたくさんいたかというと
そうではなく、やはり死ぬことが怖いと思っていたことがよくわかる。

 幕末は変化の時代だった。
そして日本が国際社会にさらされた時代だった。
 
 既にここから、日本が弱いところから始まったのだ。
 
 今の日本を考える上でも、
そして人生を考える上でも非常に参考になる一冊。

 俄-浪華遊侠伝 司馬遼太郎著

 おすすめです。