S&Pとナスダック最高値更新、雇用統計好調

 

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米国株式市場は、米雇用統計が好調だったことで株価が押し上げられ、S&P総合500種とナスダック総合が終値ベースで過去最高値を更新した。

 

https://jp.reuters.com/article/ny-stx-us-idJPKBN1XB54I

 

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雇用統計が予想を上回ったことで米株は高騰。

S&P500はマクロ・シーリングの3060に到達しました。

 

これまでのところ、このマクロ・シーリングに、非常に美しく抑え込まれてきました。

PERはいずれも18倍前後。

同水準で頭打ちとなりました。

 

今年の7月はマクロ・シーリングに対してわずかに未達で転落。

天井候補としてはよくあるパターンだったのですが、そこで天井とはなりませんでした。

 

先週金曜のS&P500は、マクロ・シーリングの3060を6ポイントほど上回ってきました。

「頭を出したら終わり」なのか、それとも力強く抜けてバブルに向かうのか?

分水嶺だと思います。

 

 

マクロ環境

アメリカは完全雇用に到達し、GDPは7月以降、潜在成長率とされる1.9%付近に張り付いたままです。

 

 

そしてアメリカの長期金利は、2018年10月以降、GDPとほぼ同水準で低下してきています。

 

政策金利の水準にかかわらず、債券トレーダーたちはアメリカ社会の妥当な金利水準を見積もります。

GDPが4%なら、3%くらいの金利には耐えられるだろう

2%なら1.5くらいは妥当だろうと。

金利がGDP水準より高くなってしまうと、アメリカ経済を押しつぶしてしまいます。

 

昨年10月以降の金利急低下は、完全雇用に到達し、新しく雇い入れられる被雇用者が生み出す付加価値と最低賃金が置換水準に達したため、企業利益が横ばいとなり、GDPが潜在成長率以上には伸びなくなった証左でもあります。

 

そしてインフレ率も同様の推移。

 

潜在成長率とインフレ率をかけ合わせると、年率3.6%程度。

マクロ・シーリングの仰角とほぼ一致します。

これまでのところ市場は非常に精緻に株価を見積もっていると言えそうです。

 

 

機械的な売買か?

そしてこの二年間、マクロ・シーリングに張り付いたまま、天井圏での株価を維持。

2000年も2007年も天井圏は8ヶ月程度だったことを考えると、異常な長さと言えます。

 

これはもしかすると、機械的な売買がかなりの影響を与えているのではないかと思います。

人間は情緒的な判断をするので、先の景気後退を予想します。

しかし今回の4月・7月・10月の高値はいずれも決算期であり、決算というデータを元に自動的に買い上がっている印象を受けます。

機械といっても人間のように先を読むAIではなく、単純にデータで買っている。

そして3ヶ月後はわからないので、また手放す。

そんなリズムを感じます。

 

 

合意水準を破棄するか?

これまで何度も合意してきたS&P500のPERは18倍前後。

妥当なPERはその時時の経済状況で変わりますが、PER18倍前後は歴史的に見てもおかしな水準ではありません。

 

この合意水準を破って上昇するのであれば、新たな落ち着き先を探すことになります。

その場合はおそらく5%や10%では済まないと思います。

 

しかしバブルに向かうのかどうか?

今ひとつ感覚的には納得できません。

ITバブルの頃は、「〇〇どっと混む」というようなお店がたくさんでき、明らかに浮かれた感じがありました。

平成バブルのことは会社員がどんどんタクシーで移動していました。

そんな雰囲気は今ありません。

 

機械的に買っているだけなら、データ以上には買わないでしょう。

オーバーランしても1%程度。

S&P500で3100に達することはないはずです。

これを超えるようなら、バブルに向かうのかも知れません。

 

 

 

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