ソフトバンク上場、「配当性向85%」のなぜ?
 

ソフトバンクグループの売り出し調達額は約2.6兆円。東証1部の1日の売買代金に匹敵し、1987年のNTT上場時(約2.3兆円)を上回り、過去最大の規模となる。

超大型上場は日本取引所グループ、主幹事証券団の威信をかけた案件だ。今回の主幹事証券団には野村証券、大和証券など6社が名を連ねる。

今回上場するソフトバンク株のウリは、利回りの高さだ。配当性向は85%を目安とし、上場企業の平均約30%、NTTドコモの49.6%、KDDIの38.2%(2017年度実績)を大きく上回る。

配当額を株価で割った年間配当利回りは5%で、この数値をセールストークに用いるため、売り出し価格の仮条件は1500円の一本値で決められた。これまでブックビルディング方式では仮条件価格に幅を持たせ、需給動向を見たうえで決定してきたが、一本値は初めてだ。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/255143

 

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過去最大の上場は、過去最大の失敗に終わりました。

technoteはソフトバンクには興味が無いので今まで触れなかったのですが、あまりにも悲劇的な結末になったので記事にしておきます。

 

そもそもソフトバンクに限らず、大型上場のIPOは期待できません。

IPOの旨味は上場初日に爆騰するところだと思いますが、大型になるほど爆騰しにくいからです。

上場規模と初値上昇率の関係は以前記事にしたことがあるので、こちらをご覧ください。

 

大型上場はたくさんの人が購入します。

そんな銘柄は、上昇率はほんの僅か。

1等がゴロゴロ当たるようなうまい話はありません。

 

孫正義は投資家

孫さんは事業家ではなく投資家だと思います。

彼は日本一の資産家ですが、その資産は会社を売り買いして成長させたものです。

子会社を上場させては引っ込め、また再上場。

彼のやってきたことを見れば、今回の事態はある程度想像できたと思います。

 

そもそも配当利回り5%というのが異常です。

ドコモもKDDIも3%台ですからね。

 

ドコモのPERが13倍、KDDIが11倍。

PER18倍の高い株価を設定しておきながら、ソフトバンクの配当利回りは5%。

同じ業種、横並びの料金体系で、こんなこと続けられるわけがありません。
大幅減配になるのは目に見えてます。




実力が数百円程度しか無いソフトバンクの株価を1500円に見せかけるために用意したのが、配当利回り5%。

一度だけ高配当を実施すればそれでいいのです。

僅かなコストで高値で株を売りつけることができます。

孫さんはそうやって、合法な範囲でテクニックを駆使して、現在の資産を作りました。

 

今回の売却資金は通信のソフトバンク本体には一円も入りません。

すべて親会社のソフトバンクグループに入り、その資金繰りに使われます。

「投資家の皆さんに株を持ってもらって、一緒に事業を育てていこう」

孫さんは事業家ではないので、そんな気持ちは持っていないと思います。

 

ソフトバンクの総資産は24兆円。

うち16兆円が有利子負債と言われています。

実態は銀行から金を借りて株を買ってる人と変わりません。

だから今のうちに現金化しておきたかったんだと思います。

 

携帯事業は顧客の奪い合いが飽和し、総務省から料金の引き下げを言われ、旨味がなくなったから売るんでしょう。
高値で売るのが投資家ですからね。
内部情報を知り尽くした投資家の孫さんが大々的に株を売り出すということは、天井ということだと思います。
ソフトバンク株がこれ以上あがらないのは、孫さんが一番良く知ってると思います。

 

上場当日の株価は一度も1500円にタッチすることなく、右肩下がりとなりました。

 

1500円の株価をつけることは、この先もないと思います。