衝撃のイギリスのEU離脱から一週間が経ちました。
世界中の株価の推移を見てみると、各国まちまちであることが分かります。

<イギリス>
BREXIT-FTSE100

上記はFTSE100の3か月チャートです。
BREXITのショックから完全に回復し、大きく高値を更新しています。

イギリスがEUの一員でなくなることから、イギリスに進出していた外国企業が撤退することが見込まれており、資本流出によるポンド安が見込まれています。
またイングランド銀行が国内景気テコ入れのために利下げを示唆しており、これもポンド安要因です。

為替の恩恵を受けて、イギリスは海外でシェアを伸ばすことでしょう。
そのためイギリスの株価は高値を抜いてきています。
これで離脱しなかったら詐欺ですね笑


<ドイツ>

BREXIT-DAX


上記はDAXの3か月チャートです。
青い丸で囲っているところが離れ小島になっています。
この部分はイギリスがEUに残留することを予想していた時期の株価の動きであり、BREXITショックからの揺り戻しでも、まだこの部分に到達していないことが分かります。

ユーロもイギリスの離脱で切り下がっており、ドイツも為替の恩恵を受けそうなものです。
しかし、ユーロは実質的にドイツの集金システムであることから、BREXITでその集金システムが崩壊するのではないかと市場は警戒しているようです。
イギリスに続く脱落者が出ないことを確信できるまで、このギャップは埋まらないかもしれません。


<アメリカ>

BREXIT-DJI


上記はNYダウの3か月チャートです。
こちらもほぼBREXITショックの高値を取り戻しました。

ユーロ・ポンドが切り下がることから、アメリカ企業はEU・イギリス企業にシェアを奪われる立場になります。
しかしアメリカは利上げの更なる延期が織り込まれ始めており、利下げの予想すら出てきています。
この辺りを見越して、市場はアメリカに対する影響はフラットだと考えているのでしょう。


<日本>

BREXIT-N225

上記は日経225の3か月チャートです。
日本はBREXITのショックから戻り切れていません。

ユーロ・ポンドが切り下がり、アメリカが利上げ延期なら、シェアを削られるのは日本ということになります。
日本も金融緩和で対抗するかもしれませんが、マイナス金利の深堀や量的緩和の拡大では、ブタ積みされた資金は全く動きません。
市場は日銀のやり方が全く効果がないと判断しています。

つまり日本企業はシェアを奪われるだけに終わり、今回はトレンドラインがさらに切り下がることになるのではないかと思います。

日経225-1年チャート

BREXIT-N225-2

市場のことなのでマクロ通りに動くかどうかはわかりませんが、日銀がETF購入の爆発的な上積みでもやらない限り、おおよそこんな傾向で動くのではないかなと思います。


そして長期に目線を移せば、2年間のEU離脱期間の間に、ポンドは値を戻すと思います。
海外資本は流出しますが、ポンド安特需で稼いだ外貨を英企業はポンドに転換するでしょう。
しかしイギリス国内の分離独立問題が大きくなると話は別です。
その成り行き次第では、状況は大きく変わるかもしれません。

ドイツでは今後EU体制の再構築が課題になってくるでしょう。
下位国から奪いっぱなしの現在のシステムでは、第二第三のギリシャが出てきます。
ユーロ圏2位のフランスの失業率も高止まりしており、来年のフランス総選挙の結果次第では、ユーロの基盤が大きく揺らぐ可能性もあります。

そして最後は日本ですが、右肩下がりの相場は避けられないと思います。
もともとアベノミクス前後で、国内経済の状況はほとんど変わっていません。
完全雇用・ゼロ金利で、日本経済は今も昔も全力で走り続けています。
アベノミクスの株価上昇は、単純に為替による海外特需。トヨタ社長の言う追い風参考記録だったものと考えられます。

そして金融政策の偽薬に効果がないことが露見して以降、再び為替の追い風が吹くことはありません。
秋の大型補正予算も、完全雇用下でやっても意味がありません。

山より大きな猪が出ることはありません。
国内は全力を出し切り、海外の特需もなくなった日本経済。
爆裂なETF買い増しやヘリコプターマネーでもやらない限り、トレンドは変わらないと思います。

しかしそれをやれば、将来大きな災いが待っています。

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